高齢者の生活に「健康、安全、潤い」を――フリービットの「PandA」が「家族」をテーマにした新機能を追加敬老の日にスマホのプレゼントはいかが?

» 2014年09月11日 21時32分 公開
[村上万純,ITmedia]
photo フリービットの石田宏樹社長

 「日本のスマホは高すぎました」というフレーズが印象的なCMでおなじみのMVNO、フリービットは9月11日、記者向け発表会を開催。同社が提供するAndroidスマートフォン「PandA」向けに提供する家族向けサービス「PandAファミリー」を始め、アプリケーション群を大幅にアップデートすることを明らかにした。発表会では石田宏樹社長が詳細を語った。

高齢者の生活を「健康的に、楽しく」するアプリ

 「“電話屋”である大手キャリアと異なり、フリービットは、スマホを誰もが簡単にどこでも使えるコンピューターだと捉えている」と話す石田氏は、PandAのアプリケーション群の大幅なアップデートを行うことを発表。「スマホが変えるカゾク」をテーマに、「PandA apps update “Fall 2014”」と題する一連のアップデートを敬老の日である9月15日より順次進めていく。全機能のリリースは10月初旬に完了する予定だ。

 石田氏は、PandA端末、ミドルウェア、オペレーションシステム、ネットワーク、クラウドシステムなどを垂直統合する要素であり、さまざまな機能やサービスを含むコアとなるテクノロジー群を「PandA CORE」と称し、パートナー企業を始め、順次アプリ開発者へのオープン化を進めることを表明。これにより、「Androidアプリの制限を超えた領域でのハードウェアコントロールが可能になる」と石田氏は説明する。

photophoto PandAの一連のテクノロジー群を「PandA CORE」と称し、アプリ開発者向けにオープン化していく

 今回発表された新機能は主に「PandA lifelog」「Digital Photoframe」「Air Knock!」「IP電話での緊急通報の代替機能」「片手操作用の機能」の5つ。それぞれ見ていきたい。

 PandA lifelogは、PandAのセンサー機能を利用して日常の活動量を記録し、健康状態の記録を行うアプリ。まずは、デジタル万歩計機能が実装され、ホーム画面に歩数を表示させることができる。PandAファミリーと連携させることで、家族の活動量を見守る側の端末から確認することが可能で、「今日は全く歩いていないけど、親は大丈夫なのか」「子どもの活動量が少ないので、もう少し運動させよう」などの気付きが得られる。なお、一定の歩数以上歩いていない場合に、親側の端末にアラート通知もできる。GPS機能と連携しているため、見守りサービスとしても利用可能だ。

photo 「PandA lifelog」アイコン
photophoto 万歩計として利用できる(写真=左)。見守る側の端末で、見守られる側の位置情報などが分かる(写真=右)

 Digital Photoframeは、PandAに写真を写してスライドショーのように使えるサービス。「孫や家族の写真が見られるということで、高齢者のニーズが非常に高い」と石田氏が語るように、大手キャリアやメーカーなどもデジタルフォトフレーム関連の製品やサービスを提供している。

photo Digital Photoframe

 なお、本機能は兼ねてより導入が予定されたいたものであり、2ndロットより、PandA購入時の箱に、デジタルフォトフレームのスタンドとなる台紙が隠されているというサプライズが仕組まれていた。既に箱を捨ててしまったユーザーや、2ndロットより前に端末を購入したユーザーは、フリービットの直営店であるアトリエに問い合わせることで台紙を入手できる。

photophoto PandA購入時の箱にスタンドの台紙が隠されている

 組み立てたスタンドは端末を縦でも横でも置くことが可能。事前にデジタルフォトフレーム機能を搭載することを見込んで、建築家の迫慶一郎氏とフリービットで仕込みを行っていたという。この台紙スタンドには同社が掲げる「eco」のメッセージが込められている。石田氏は「今後、このスタンドの仕組みをユーザーに気付かせる取り組みをしていく」と話す。

 Air Knock!は、「緩やかなつながり」(石田氏)を実現するためのコミュニケーションツール。スマホをドアに見立てて、画面をコンコンと文字通りノックすることで、家族とコミュニケーションが取れる。ノックが1回なら「元気?」、2回なら「連絡していい?」など、独自のメッセージを決めておくとより便利に使える。5回以上ノックすると、「緊急連絡モード」に切り替わり、相手側の端末がマナーモードになっていても、強制的に音と振動が出る。「LINEやFacebookといったメッセージアプリよりも、さらに緩いコミュニケーションを提供できる」と石田氏は説明しており、例えば朝起きているかどうかなど、わざわざメッセージを送るほどでもないときの確認に有効だとしている。

photo スマホをノックしてコミュニケーションを取るAir Knock!
photo デモンストレーションの様子

安全面や操作性も改善

 050番号を用いるIP電話サービスでは110番や119番といった緊急通報ができないことが安全面における1つのネックとなっていたが、今回PandAではGPS情報を利用してこれを代替する機能を追加した。具体的には、GPS機能で通話位置を特定し、最寄りの警察署の受付番号を表示するというもの。石田氏は「今後、消防署や救急車などにも対応し、緊急通報の代替手段をできる限り提供していく」と語った。

photophoto GPS機能で通話位置を特定し、最寄りの警察署の受付番号を表示する

 また、画面サイズが5.5型と大柄なPandAは片手操作が難しいという声がたびたび寄せられていたと石田氏は話す。この解決手段の1つとして、画面の特定箇所をタップ&スワイプすると、端末下部の「戻る」「ホーム」「メニュー」キーをその場所に表示できる独自のウィジェットを追加した。設定画面で、サイズや透明度、ウィジェットの表示位置を変更できるほか、表示されるボタンのカスタマイズもでき、操作性の自由度を高めている。

photophoto 片手操作用のウィジェットは、細かなカスタマイズが可能

スマホケースは“選ぶ”から“創る”時代に

 フリービットが8月18日より提供しているオリジナルスマホケース制作サービス「PandA Fab」のデモンストレーションも同発表会で行われた。PandAで撮影した写真を、転写機でケースにプリントして自宅に配送したり、アトリエで受け取ったりすることができる。発表会場で記者席を写した写真が、発表会終了時にはスマホケースの背面にプリントされ、製品が完成していた。

photophotophoto オリジナルスマホケース制作サービス「PandA Fab」(写真=左)。ケースを転写機でプリントするセンターと中継(写真=中)。記者発表会の様子を撮影した写真がスマホケースになった(写真=右)

 石田氏は、今回のアプリケーション群のオープン化により、PandA1台でさまざまなサービスが使えるようになっていく可能性を強調していた。「普通のスマホとは異なる別製品として高齢者や子ども向けのスマートフォンを出すのは企業側のエゴであり、ユーザーは必ずしもそれを欲しているわけではない」と石田氏は力説する。さらに、「現在、PandAのユーザーは60歳以上が15〜20%で、想定より多くの高齢者に利用していただいている。高齢者層の65%はまだスマホを使っておらず、重要なマーケットであると位置付けている」(石田氏)と続けた。

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