MetaMoJiの「mazec for iOS」は、900円(税込)で購入できる手書き文字入力アプリだ。これまでmazecはアプリ内の手書き変換アドオンとして提供されていたが、今回iOS 8向けに1つの独立したアプリとしてリリースされた。今回はバージョン1.0.1をiPhone 6 Plusで使った。
スマホの文字入力はフリック入力に慣れている人が多いかもしれないが、mazecの特徴は手書き入力一択という分かりやすさ。読み仮名の分からない漢字や画数の多い漢字があるときに有効だ。手書き画面は左から右に書き進め、自動でスクロールされていき、線の太さや漢字/ひらがな/数字の入力なども設定できる。ユーザーの字の癖を学習する機能もあり、殴り書きのような字でもかなり高精度で認識・変換してくれる。
6 Plusは画面が大きいので、片手操作はやや難しい。紙のメモ帳のように、ちょっとした覚書をしたいときはスタイラスペンを使うと快適そうだ。「会ぎ」→「会議」のように、漢字とひらがなを混在させてもスムーズに変換できる「交ぜ書き変換」機能も精度が高い。画数の多い漢字はひらがなにするなど、工夫次第で入力効率を上げることができる。メインキーボードとして利用するというよりは、メモ書きや難しい漢字を書くときなど、シーンを絞って活用するのがいいだろう。
各日本語入力アプリを紹介してきたが、これらを実際に使うにはユーザー側での設定が必要だ。設定方法は、ホーム画面の「設定」→「一般」→「キーボード」→「キーボード」→「新しいキーボードを追加」で行う。これで「キーボード」カテゴリに各アプリが追加される。それぞれアプリをタップすると、「フルアクセスを許可」と表示される。許可をしないと、クラウド変換機能、単語学習、ペースト機能など、各アプリが持つ一部機能が使えなくなるので、フルにアプリを活用したいなら許可しておこう。
その後、日本語入力画面で、左下にある地球儀のアイコンを長押しすると、新しく追加されたキーボードを選択できる。
3つのiOS 8向け文字入力アプリを紹介してきたが、それぞれ独自の特徴を持つため、一概に「これが一番!」と言うことは難しい。利用シーン別にどのアプリを使うのがいいのか見ていこう。
標準搭載のキーボードより、精度が高い変換を求める人にオススメなのはATOKだ。iOSの仕様上インライン変換ができなかったり、Bluetoothキーボードが使えなかったりと制約はあるが、少ないキータッチで簡単に変換できるのは魅力だ。
友達とのカジュアルなやり取りにはSimejiがおすすめ。豊富な顔文字や、ネットで流行の言葉などをスムーズに変換できるので、いちいち辞書に顔文字を登録する必要がない。SNSでテンポのよくメッセージを送り合うときにもストレスがないだろう。
そもそもiPhoneの小さい画面でフリック入力することに慣れない人は、mazecがおすすめだ。手書き入力は公私ともに活用でき、標準キーボードを補完したいときの心強い味方になりそうだ。
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