エリア整備だけでなく“価値提供”を――「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」プロジェクトの狙い(2/2 ページ)

» 2014年12月14日 07時00分 公開
[田中聡 ,ITmedia]
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小田急やドン・キホーテなど、参画企業の狙い

 11日の発表会では、パートナー企業の担当者も登壇し、TRAVEL JAPAN Wi-Fiプロジェクトに参画した狙いを語った。

 「箱根や江ノ島、新宿にお見えになる訪日外国人の方から、Wi-Fiスポットが少ないという意見を多くいただいている。こういったサービスに参加させていただくことにより、無料Wi-Fiスポットを利用できることに加えて、グループのさまざまなコンテンツ、百貨店やショッピングセンターのコンテンツを提供して、滞在期間中に利便性を提供したい」(小田急電鉄 IT推進部 部長 後藤真哉氏)

photophoto 小田急電鉄の後藤氏

 「パブリックセクターのプロモーションは前例や慣習に頼りがちだが、このプロジェクトに参画することで、より相手のニーズをくみ取ったプロモーションを企画立案できると思っている。単なるインフラ整備ではなく、プラットフォームを活用して、京都が取り組んでいる免税店、売りたい物の情報も適宜流し込んでいく展開も見せていく」(京都文化交流コンベンションビューロー 国際観光コンベンション部 部長 赤星周平氏)

photophoto 京都文化交流コンベンションビューローの赤星氏

 「2014年7月から、神戸市内で3000以上あるWi2様のアクセスポイントを活用した『KOBE Free Wi-Fi』事業を展開していて、多くの外国人観光客に好評いただいている。今回のプロジェクトでは、Wi-Fiに自動接続できるアプリの利用を通じて、外国人旅行者のアクセスポイントへの接続が、さらに容易になる。観光情報の発信とアプリを連動させた取り組みにより、情報発進力をさらに向上させ、神戸市内での回遊性の向上、滞在時間、消費行動の増大につなげていきたい」(神戸市 産業振興局 シティセールス担当局長 山本猛氏)

photophoto 神戸市産業振興局の山本氏

 「訪日外国人は、お買い物目当ての方が多い。海外の会員様にも利用いただき、日本でたくさんお買い物をしていただける、そんなプロジェクトになればいいなと思っている」(ジェーシービー ブランド事業統括部門 ブランドマーケティング部長 兼 ジェーシービー・インターナショナル 取締役 ブランドマーケティング本部長 杉山二郎氏)

photophoto ジェーシービーの杉山氏

 「ドン・キホーテでは、早くからインバウンド政策を進めており、年間約550万人の訪日観光客に来ていただいている。免税対象商品の拡大に伴い、約20店舗に免税専用カウンターとスタッフを配置している。タブレットを使って、24時間いつでも全国の店舗とつながる4カ国対応のコールセンターも設置している。サービス向上のため、独自の全店でフリーWi-Fiを進めているが、方向性と合致したので参画させていただいた」(ドン・キホーテ 執行役員 東京中央支社 支社長 兼 インバウンド強化委員会 委員長 服部将允氏)

photophoto ドン・キホーテの服部氏

 「JALでは、機内での利便性向上のために、国内線と国際線で、機内Wi-Fiサービスを展開しており、お客様にもご好評いただいている。今回は機内に加え、日本全国をカバーするWi-Fiスポットが提供可能になった。JALのWebサイトは26カ国展開で11カ国語に対応しており、日本への出発前から、現地語でアプリをダウンロードできる。サイトには右下にバナーを張り、航空券を買った人が、ここからプレミアムコードを取得できる。素晴らしい価値をしっかりと伝えていきたい」(日本航空 旅客販売統括本部 海外地区販売部 部長 久留英一氏)

photophoto 日本航空の久留氏

 「弊社はランドマークタワーやアミューズメント施設、スタジアムなどで、チケッティングのシステムや、飲食・物販のPOSのシステムなどを手がけ、お客様のホスピタリティ向上のご支援をしている。弊社のソリューションを導入いただいている事業者様は、年間で3000万人を超える。このプロジェクトを通じて、さらなる付加価値を提供したい。ビッグデータ活用による、訪日外国人の方を、私たちのソリューションを導入いただいた事業者様に“創客”したい」(パナソニックインフォメーションシステムズ ソリューションビジネス本部 システムソリューション事業部 事業部長 河原功氏)

photophoto パナソニックインフォメーションシステムズの河原氏

 「マーケティングのツールは、この先のビジネスの発展性、日本に来ていただくお客さんに楽しんでいただくことを考えると、ワクワクするので、有意義な企画だと考えている。観光スポットでの出来事を、その場ですぐに伝えられるので、旅行の楽しみ方が変わると思う」(ぴあ 執行役員 総合営業局局長 前田能成氏)

photophoto ぴあの前田氏

 訪日外国人向けのWi-Fiスポットは、日本航空とNTT東日本が無料Wi-Fiサービス、NTTドコモが1週間900円(税別)、3週間1300円(税別)の「docomo Wi-Fi for visitor」を提供している。大塚氏は、TRAVEL JAPAN Wi-Fiならではの特徴は「フリーWi-Fiの接続をアシストすること」と「インバウンド(訪日外国人)のビジネスを構築していること」だとしている。Wi2が目指す“価値”をどこまで訪日外国人に届けられるのか、注目したい。

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