活動量計とは、健康管理を目的に身体活動に関するデータを測定・記録してくれるデバイスである。当初は米国で火がついたが、2012年頃から日本でも話題になりはじめ、家電量販店などで目にする機会も増えてきた。
すでに20機種以上の活動量計が登場しているため、どれを選んでいいのか分からない人も多いだろう。そこで、これまで多数の活動量計を使用してきた実績を持つ筆者が、おすすめ5機種をピックアップし、その使い勝手をレビューしてみた。
さまざまなデバイスを使う中で気付いたことは、デバイスの使い心地も大事だが、同じくらいアプリの使用感が重要であるということだ。アプリは単に数字やグラフを見せるものではなく、それらのデータをどう活用できるかが重要なのである。アプリが使いにくいと途中で面倒くさくなって活動量計の使用をやめてしまうこともありうる。
というわけで、活動量計を選ぶ際には、デバイスの性能や着け心地もさることながら、アプリから用途にあった適切な情報を得られるかどうかもチェックしてみてほしい。消費カロリー、睡眠の質、脈拍数と、人によって知りたい内容はバラバラのはずだからだ。
「UP MOVE」(以下、MOVE)は、Jawboneが2014年12月中旬から発売しているポッドタイプの活動量計だ。パッケージは、本体、クリップ、バッテリーがセットで6480円(税込)と、1万円を切るリーズナブルな価格が魅力。同社の「UP」や「UP24」はリストバンド型だったが、MOVEはボタン電池のような形をしている。同梱のクリップや別売のリストバンドの中に入れるなど、着せ替えできるのが特徴だ。
重量も6.8グラムと軽量なため、さまざまな場所に違和感なく装着できる。リストバンドは金具がないスリムボディで、装着したままのタイピングもしやすい。バッテリーの持続時間は最大6カ月とスタミナは十分。ただし、防水機能は生活防水にとどまるため、水没には注意したいところだ。
測定できるのは歩数、距離、消費カロリー、睡眠の4項目。同期はアプリを起動すれば自動的に始まる。食事の記録も可能なほか、体重や体脂肪率も管理できる。
Jawboneの魅力は、「スマートコーチ機能」と、睡眠グラフの見やすさだ。スマートコーチ機能とは、測定されたデータの良しあしや、健康のためのアドバイスを表示してくれるというもので、パーソナルトレーナーのような存在といえる。過去のデータと比較して、次にとるべき行動を教えてくれたり、どうすれば改善できるのかというヒントを丁寧に表示してくれたりするので、生活改善の参考になるだけでなく、モチベーションも持続する。
睡眠のグラフは眠りの深さの違いも明確で、入眠までにかかった時間や眠りの深さ、中途覚醒なども把握できる。自分の睡眠パターンや睡眠状況を知りたい人にぜひおすすめしたい。
ただ、バイブレーション機能を持たないため、UP24でおなじみの目覚まし機能や、アラーム機能などは利用できない。また、睡眠モードと活動モードはボタン長押しによる切り替えが必要だ。
クリップとリストバンドの両方を使う場合、ポッドの入れ替えが少々面倒なところも気になる。リストバンドも特殊な固定方法で、しなやかだがかなり弾力があるため、装着するには多少慣れが必要かもしれない。留め具部分を何かに引っかけてしまうと紛失する可能性もあるので注意しよう。なお、リストバンドは2月中旬頃の発売を予定している。
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