KDDIが2月下旬の発表を予定しているシャープ製のフィーチャーフォン「AQUOS K SHF31」は、OSにAndroid 4.4を採用し、スマートフォンのエッセンスを取り入れた次世代のケータイだ。シャープがau向けにフィーチャーフォンを供給するのは、2010年秋冬モデルの「AQUOS SHOT SH010」「SH011」以来、実に4年半ぶりになる。
スマホシフトが進んだとはいえ使い慣れたケータイへの人気は根強く、スマホユーザーの2台持ち需要もあり、“フィーチャーフォン市場”は今後も一定の規模で存在し続けると見られている。現在のフィーチャーフォンは機能を通話やメールに絞ったシンプルなモデルが中心だが、いわゆるハイスペックなモデルへのニーズがないわけではない。通話のしやすさやダイヤルキーの操作感はそのままに、進化したカメラ機能やさまざまなWebコンテンツへの対応など、“スマホ並み”の機能を求める声も多いという。
しかしフィーチャーフォンのプラットフォーム(auの場合はKCP+やKCP)では4G LTEのサポートが困難なうえ、スマホの世界で著しく進化し続けるカメラなどの機能(アプリ)を有効活用することもできない。シャープはau向け製品をAndroidスマホに注力していたこともあり、Androidを採用したAQUOS Kが開発されたという。またau向けケータイの開発には5年近いブランクもあることから、再参入に当たって開発コストを重視した一面もあるようだ。
AQUOS Kはいわゆる折りたたみボディの端末で、サイズは約51(幅)×113(高さ)×16.9(奥行き)ミリ(折りたたみ時)。見た目もサイズもまさにケータイそのものだ。防水性能もしっかり備わっているし、ストラップホールも用意されている。背面にはサブディスプレイがあり、ボディを閉じた状態でも時刻やメールの着信などが確認可能。充電端子はMicro USBだ。これは最近のauケータイでも同様なので、Androidだからというわけではない。もちろん、スマホやタブレットと同じケーブルで充電できるようにとの配慮からMicro USBを採用しているという。
ケータイらしさを象徴するダイヤルキーには、指でなぞって画面上のポインターを動かす「タッチクルーザーEX」を内蔵した。すべての場面で使えるわけではなく、Webブラウザやカメラ、画像を表示したときなど、十字キーだけでは操作しにくいアプリ(あらかじめ決められたもの)でオンになる。このタッチクルーザーも以前のシャープ製ケータイに搭載されていた機能だが、ピンチイン/ピンチアウトで画像やWebページの拡大/縮小、フリックでスクロールやページ送りなど、スマホらしい操作性を提供するために再登板となったようだ。
ダイヤルキーにはワンプッシュでWi-Fiテザリングを開始するキーが追加された。AQUOS Kは下り最大150Mbpsの4G LTEに対応しており、特にテザリング時にその威力を発揮する。なるべく簡単にテザリングを開始できるよう、専用キーが設けられたという。
テザリングについては、AndroidタブレットやスマホからAQUOS Kのテザリングをオン/オフできるアプリ「PASSNOW」も提供される。AQUOS KとBluetoothでペアリングしておけば、テザリングのコントロールや写真や動画などコンテンツの送受信も可能だ。AQUOS K発売に合わせてGoogle Playから配信する予定で、シャープ以外のAndroid端末でも利用できる。
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