快適に使えるミッドレンジ端末――冷静に「VAIO Phone」をレビューしてみる(ベンチマーク編):バッテリー持ちは?

» 2015年05月20日 17時16分 公開
[房野麻子,ITmedia]

 外観とユーザーインタフェース(UI)に続き、今回のVAIO Phoneレビューでは基本性能をチェック。ベンチマークアプリによる性能テストやバッテリー持ち、SIMカードの対応を確認した。

photophoto 「VAIO Phone」

ベンチマークテストはZenFone 5とほぼ同等

 日本通信が販売するSIMロックフリースマートフォン「VAIO Phone」は、OSに最新のAndroid OS 5.0(32ビット版)を搭載している。プロセッサはQualcomm製のSnapdragon 410「MSM8916」(1.2GHzのクアッドコア)でストレージ容量は16Gバイト、メモリは2Gバイトと、スペック的にはミッドレンジ端末といえる。

 処理能力を測るため、「AnTuTu Benchmark」を使ってベンチマークテストを行った。今回は適当な比較端末がなかったのでVAIO Phoneのみ測定したが、アプリ内でほかの端末との比較も参考にする。なお、測定前には端末を初期化し、発熱などが起こっていない状態でテストを5回行った。

photophoto ベンチマークアプリ「AnTuTu Benchmark」を利用して5回のテストを行った平均値を調べた(写真=左)。このアプリは他の端末のテスト結果と比較することができる(写真=右)

 測定結果の平均ポイントは21849だった。アプリ内の他モデルとの比較では、VAIO Phoneと同じ5型HDディスプレイや1.2GHzクアッドコアプロセッサを搭載するASUSの「ZenFone 5」に次ぐ成績となっており、スペック通りの性能といえるかもしれない。ZenFone 5はコストパフォーマンスがよく、使い勝手もいい端末として好評だ。今回のVAIO Phoneも、使用期間は1週間程度と短かったが、レスポンスに不満を感じたことは一度もなく快適に使うことができた。ミッドレンジ端末ではあるが、十分な性能を持つモデルと言えるだろう。

動画を約10時間再生できる

 VAIO Phoneは2500mAhのバッテリーを搭載し、連続通話時間は最大約800分、連続待受時間は最大約500時間となっている。バッテリー持ちについては、YouTubeの動画を1時間再生し続けて、バッテリーの減り具合を「Battery Mix」アプリを使って確認した。フル充電の状態からYouTubeのHD動画を1時間再生し続けたところ、バッテリー残量は91%に。1時間でほぼ1割の消費ということは、単純計算で動画を連続10時間程度再生できることになる。スマートフォンとしては十分の性能ではないだろうか。

 なお、1時間動画を再生し続けると背面がほんのり温かくなったが、危険を感じるほど熱くなることはなかった。これからの季節でも、安心して動画の長時間視聴ができそうだ。

photo フル充電状態から、YouTubeのHD動画を1時間再生し続けた際のバッテリー残量を、「Battery Mix」でチェック。1時間再生しても91%残っており、あと9時間31分利用できると表示されている。本体は少し温かくなったが、発熱で再生が停止するようなことはなかった

ドコモ回線を使うMVNOのSIMカードが利用できる

 VAIO Phoneは日本通信の端末であり、基本的に日本通信のSIMカードを使うことが想定されている。正規のルートでVAIO Phoneを購入すると、SIMカードはVAIO Phone専用のものが提供され、他の端末でこのSIMカードは利用できない。ただし、VAIO Phone本体はSIMフリー端末なので、日本通信以外のSIMカードも挿入して使うことができる。サイズはMicro SIMだ。

 VAIO Phoneが対応している周波数帯は、LTEがBand 1(2100MHz)/Band 3(1800MHz)/Band 19(800MHz)、W-CDMAがBand1(2100 MHz)/Band 19(800MHz)となっており、FOMAプラスエリアを含むドコモ回線の周波数帯に対応している。ドコモと、ドコモ回線を利用してサービスを提供しているMVNOのSIMカードを使うのに適している端末だ。

 手元にあったIIJmioのSIMカードで検証してみたが、問題なく利用できた。もちろんテザリングも可能だった。ドコモ契約のSIMカードも利用できるが、spモードではデータ通信が行えない。データ通信専用のISPサービス「mopera」を契約して、そのAPNを設定して行うことになる。

photophoto IIJmioのSIMカードを使ったときの画面。VAIO Phoneには初期状態では日本通信のAPN設定しかなく、他社のSIMカードを利用する際は自分でAPN設定を行う必要がある。検証した場所は東京・板橋区でドコモのLTE圏内だが、このときは3G表示になっている。なお、後日、別の場所でLTE接続を確認している(写真=左)。3G接続だったがテザリングのスピードも満足できるものだった(写真=右)
photo auの回線を使っているmineoのSIMカードも念のため挿入してみた。KDDIと認識したが、ネットワークには接続できなかった

 デザイン、ユーザーインタフェース、基本性能を3回に渡ってチェックしてきたが、改めて感じるのはVAIO Phoneがまさしくミッドレンジ端末だということだ。スマートフォンは性能が高いレベルに到達しており、ミッドレンジ端末でも十分快適に使うことができる。VAIO Phoneもそうしたコストパフォーマンスの高い端末という印象だ。

 ただPCのVAIOが尖った印象を与える存在だけに、そうしたテイストやハイスペックスマホ並みの高機能を期待していた人に響かないのも事実。そうした意見も納得できるが、端末自体は悪くない出来だ。誰もが知っている安心できるブランドで、シンプルでお手頃なスマートフォンを求めている人なら満足して使える1台だ。

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