インターネットイニシアティブは10月24日、ユーザーイベント「IIJmio meeting 9」を開催した。
中級ユーザー向けセッションでは「自分のトラブル状況を上手に説明しよう」というテーマで、万が一、つながらなくなった場合に、どのようにIIJ側に状況を伝えれば、解決につながりやすいかのアドバイスが行われた。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2015年10月24日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円)の申し込みはこちらから。
IIJがまず知りたいのは「どんなスマホを使っているか」「どんなときに発生しているか」「どんな現象なのか」という3つなのだという。これらが把握できれば、初期不良なのか、設定のミスか、端末の故障なのかをある程度、切り分けできるという。
やっかいなのが、ただSIMカードを挿入するだけでも「音声通話」は行えてしまうという点だ。「音声通話がつながっているのだから、ネットワーク側のトラブルではないか」とユーザーは考えがちになるようだ。
実際のところ、iPhoneは使っているうちにネットワーク設定がおかしくなることがあり、そうしたときは「リセットをお願いしている」(IIJ、堂前清隆氏)という。また、Androidも挙動がおかしくなることがあるようで、そうしたときはAPNサーチを切るために、他社MVNOのAPN設定を削除することを勧めているとのことだ。
ただ、やはりMVNOとなると、様々なSIMフリースマホを使っているユーザーがいるだけに、サポートとしても相当、大変なのは間違いないだろう。
MNOであれば、自社で販売している端末だけの検証や、サポートだけやっていればいい。その点、MVNOはiPhoneやメジャーなAndroidだけでなく、これから増えてくるであろう有象無象のSIMフリースマホに対処できなければ「サポートが不満」という烙印を押されかねないのだ。
実際、IIJでも「どのスマホもデータ通信の項目ははじめからオンになっているものだが、UPQだけは、デフォルトでデータ通信の項目がオフになっており、我々でもつながらないと慌てたほどだった」(堂前氏)という。
同じAndroidでも、設定メニューが異なることもあり、それを受け付けるサポートも相当、苦労を強いられそうだ。
今後、MVNOを選ぶ上でも「いかに数多くの端末検証に対応できるか」という体力面を見る必要があるかも知れない。
堂前氏は「確かにドコモに比べればサポートは弱いかも知れないが、できるだけ、ユーザーをサポートしていきたい。ユーザー側もちょっと気を遣ってもらって、質問のテクニックを身につけもらい、我々を利用してほしい」と語る。
MVNOのサポートは、ショップのように直接対処してもらうのは難しく、どうしても電話やメールなどになりがちだ。そこで、ユーザーの「質問力」が問われることになる。
やはり「安く使う」には、ユーザーにもそれなりの「努力」が必要ということだろう。
© DWANGO Co., Ltd.