Q601は外部接続端子として「USB Type-C」(USB 2.0)を採用した。USB Type-Cは端子の上下を意識せずに接続できる利便性を持つ。PCとの接続や充電に利用できるUSBケーブル(Type A to Type-C)も同梱している。
この端子は「USB On-The-Go(USB OTG)」にも対応しているので、アダプターを別途用意することで、USBキーボード・マウスや外部ストレージを接続できる。PC版Windows 10に近いユーザーインタフェース(UI)で操作できる「Continuum for Phone」と組み合わせれば、「超ポータブルPC」的な使い方も不可能ではない。
Q601のバッテリーは3900mAhとかなり大容量だ。同梱のACアダプターを使う場合、残量0%からバッテリーを満充電にするまで約3時間かかる。寝ている間に充電する人にとっては大した問題にはならないだろうが、出先で時間の合間を縫って充電するという使い方をする人にとっては、もう少し速く充電できる方がありがたいだろう。
Q601はQualcommの急速充電規格「Quick Charge 2.0」に対応している。この規格は充電時の電流だけではなく電圧も上げて充電速度を高速化している。対応する充電アダプターを用意すれば、Q601をより高速に充電できるのだ。
また「MADOSMA Q501」シリーズから引き継いだ伝統として、Q601は電源を切った状態での充電にも対応している。電源を切った状態で充電をすれば、わずかではあるが充電時間を短縮できる。他社のWindows 10 Mobileスマホにはない特色でもある。
Q601はアウトカメラに1300万画素センサー、インカメラに500万画素のセンサーを備えている。レンズのF値はアウトカメラが2.0、インカメラが2.4となる。アウトカメラだけではなく、インカメラもオートフォーカス(AF)に対応していることが大きな特徴だ。
Windows 10 Mobileスマホでは、原則としてOS標準の「Windows カメラ」がそのまま端末標準のカメラアプリとなる。Q601も例外ではなく、Windows カメラが標準のカメラアプリとなる。Windows カメラは当初、機能面で若干の物足りなさを感じたが、バージョンアップを重ねることで機能が充実してきた。
ただし、アプリ側の問題なのかQ601側の問題なのかは不明だが、アウト・インともにAFがうまく合わないことが多かった。今後の改善に期待したい。
マウスコンピューターにとって、MADOSMA Q601はスマホ第2弾となる。第1弾のMADOSMA Q501シリーズと比べると、単にボディーが大きくなっただけではなく、プロセッサ、メモリやストレージ面で快適に使えるようになった。通信面でもLTEとW-CDMA(3G)における対応周波数帯(Band)が広がり、無線LAN(Wi-Fi)は5GHz帯(IEEE 802.11a/ac/n)にも対応したことで利便性が高まった。
サイズの大きさは議論の分かれるところだが、Mobile World Congress 2016においてマウスコンピューターの製品企画部部長の平井健裕氏が語った通り、「2台持ち」「ビジネス」を想定すれば、ユーザーから受入れられる素地は十分にある。
個人で使う場合、約3カ月前に筆者がレビューした「VAIO Phone Biz」と同様に、端末そのものではなくWindows 10 MobileというOSの使い勝手、そしてアプリの充実が課題となりそうだ。以前のレビュー時と比べると状況は少しずつ改善しているが、Microsoft(あるいは日本法人である日本マイクロソフト)のさらなる頑張りを期待したいところだ。
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