「らくらくスマートフォン4 F-04J」を30代男性が使ってみた意外とイケる(4/4 ページ)

» 2017年03月27日 11時50分 公開
[小林誠ITmedia]
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シンプルなカメラは明るめに撮れる

 スマホの機能の中でも、利用頻度が特に多いのはカメラだろう。F-04Jの標準カメラアプリは、富士通コネクテッドテクノロジーズのarrowsシリーズと同じく極限まで機能をシンプル化している。

 搭載している主立った機能は、「パノラマ」「HDR撮影」「スマイルムービー」くらい。要するに「難しい設定はせずにとにかくオートでサクッと撮る」という方針のカメラだ。もちろん、Google Playから他のカメラアプリを追加してもっと凝った撮影もできるが、今回は本筋ではないので行わない。

 今どきの流行としては自撮りして、Instagramなどに投稿……といった使い方になるのだろうが、筆者の顔を見せても見苦しいだろう、というわけで、伊豆の修善寺温泉(静岡県伊豆市)に遊びに行った際の模様を好き勝手に撮り、その印象を述べてみたい。

 まず、伊豆箱根鉄道の修善寺駅の正面を昼と夜の2回に分けて撮ってみた。天気が良いこともあり、昼の撮影では空の青がきれいに出ている。夜の撮影では、あえてフラッシュ(LEDライト)をオフにしたが、地面が明るく撮れていることが分かる。

昼間の修善寺駅正面夜の修善寺駅正面 昼(写真=左)と夜(写真=右)に修善寺駅の正面を撮影

 次に、夕焼けの修善寺橋を撮影してみた。ピカピカに光った夕焼け空に浮かぶ雲は、厚みを感じる。そのまま下を流れる狩野川も撮影してみた。雲に微妙に混じる赤みが不穏な感じで、雰囲気が出ている。

夕焼け空と修善寺橋 夕方に撮った修善寺橋
夕方の狩野川 夕方の狩野川

 こちらは、きれいに晴れた空の下で撮影した、狩野川にかかる赤い橋(修善寺橋ではないが、名前を失念……)。気持ちいい川面、春の陽光を感じられるのではないだろうか。

晴れた空と赤い橋 晴れた空の下で撮影した赤い橋

 次にマクロ撮影を試すべく、土手に降りて花に近付いて撮影。やや、接写は苦手なように見えるが、自宅へ戻った後にフルーツを接写したところ、こちらはきれいに撮れた。被写体にもよるだろうが、シンプルな静物なら大丈夫そうだ。

狩野川のほとりに咲く花 狩野川のほとりに咲く花を接写。ピントがうまく合わなかった
フルーツ 帰宅後撮影したフルーツ。こちらはしっかりと接写できている

バッテリー持ちは良好 アプリによっては若干の不具合も?

 最後に、こまごまとした気付いた点などをまとめておきたい。

 まず、F-04Jのバッテリー持ちについて。筆者の普通の使い方(ブラウザ、ゲーム、Gmail、Kindle利用が中心)では、満充電にして仕事を始めて、仕事が終わる頃には残量が50%前後、就寝前は残量が40%前後ということが多かった。

 モバイル回線で動画をあまり見ることはなく、SNSの更新を頻繁にチェックすることもないのでのではあるが、パーセンテージ的には普段使っているスマホと比べて10〜20%くらい多く残っている。筆者的には、「バッテリー持ちの良いスマホ」という評価だ。

 ただし、使用している機能やアプリによってバッテリー持ちの評価は変わってくるだろう。

 画面の明るさ調整が4段階でしかできないことも気になった。別途Google Playから細かく調整できるユーティリティーアプリを調達すれば良いのだが、もう少し細かく調整できると、バッテリーの節約面でも画面の見やすさの調整の面でもありがたかった。

Battery Mixでのバッテリー稼働状況画面の明るさ調整 「Battery Mix」で測定したバッテリーの稼働状況(写真=左)。筆者の使い方だと、仕事終わりの時点でおおむね50%残っている。画面の輝度調整は4段階しかない(写真=右)

 通信面では、NTTドコモのLTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」に対応していないことが気になった。

 PREMIUM 4Gというと「通信の高速化」に目が行きがちだが、「混雑時における通信の安定性向上」という点にこそ、真価がある。

 混雑していない時間帯や場所では、PREMIUM 4G非対応であることは大して気にならない。サクサク通信できる。しかし、地下鉄や都市部の駅周辺といった通信が混雑しやすいエリアで使っていると、なかなかWebページが表示されないことがあったのだ。

 また、Wi-Fiをオンにしたままだと、品質の良くない公衆Wi-Fiスポットと接続してしまい、かえって通信速度が遅くなることもあった。最近のarrowsでは、Wi-Fiアクセスポイントの通信品質に応じて自動的にLTE/3Gの通信に切り替える「マルチコネクション」に対応しているが、残念ながらF-04Jでは対応していない。恐らく、本来のターゲット層のことを考えてだと思うが、今後のモデルでうまくマルチコネクションを取り入れると、もっと快適に使えるようになるだろう。

 また、F-04Jで足りないアプリをどんどんインストールしていくと、内蔵ストレージが若干心もとなく感じた。今回は最終的に内蔵ストレージに4GBほど空き容量ができたが、ヘビーにデータをガンガン保存するとあっという間にストレージ不足になるかもしれない。ただし、microSDを装着すれば、ある程度のデータはそちらに待避できる。使い方次第ではmicroSDの購入も検討すると良いだろう。

まとめ

 カスタマイズし、アプリを追加して「俺仕様」にした「らくらくスマートフォン4 F-04J」は、予想以上に快適だった。

 たとえらくスマの良さを理解していても、やはりそれは「中高年」や「初心者」向けであって、初期設定のままではスマホ慣れしている人にはストレスが溜まってくる。

 しかし、ホームアプリなどでユーザーインタフェース(UI)を変え、いつものアプリを使うようになると、操作性がなかなか良いことに気付く。ボディーデザインの良さはもちろん、実は低くないスペック、多機能さなど、従来のらくスマに対する先入観を持っていると、F-04Jの真価は見えてこない。「小型スマホの名機」の1つであると言っても過言ではない。

 実はいろいろな人に「ハマる」スマホ、それがF-04Jだ。「高スペックなだけ」「価格だけ」というスマホに飽きた皆さん、F-04Jを使ってみてはどうだろうか? 思いのほか結構ハマると思う。

最後の小ネタ 最後に、F-04Jの小ネタを披露。画像の一番左は、F-04Jの端末ロック画面なのだが、表示が非常に分かりやすい。画像真ん中の歩数計や右の睡眠ログも便利に使える。アドバイス機能がもう少しあれば良かったのだが……。

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