シリーズ変更に伴い、UI(ユーザーインタフェース)も一新。まず、AQUOS ZETAやAQUOS Xx3などで側面に搭載していた指紋センサーは、AQUOS Rではディスプレイ下に移動した。これは「よりスムーズに指紋認証しやすくするため」(シャープ担当者)。画面が消灯した状態からでもセンサーに触れれば、ロックを解除できる。
このセンサーが搭載されているボタンは、押し込むタイプの物理キーではなく、センサーキーとなる。指紋認証の他に、設定によってホームボタンとして使うこともできる。
ホーム画面は、これまでは縦方向にスクロールする独自のインタフェースを採用していたが、AQUOS Rでは「ホーム」と「アプリ一覧」を個別に表示する、一般的なAndroidスマートフォンに近いものに変更された。担当者によると、「従来のUIはケータイから乗り換えるユーザーが違和感なく使えるようにしたものだが、その役割が終わりつつあるため」とのこと。
ちなみにアプリ一覧を呼び出すボタンは用意されておらず、画面下部から上方向にスワイプすると、アプリ一覧が表示される。少しクセがあるので、慣れるまでに時間がかかるかもしれない。
また、これまで個別に用意されていたAQUOSの独自設定は、「設定」の「AQUOS便利機能」に集約された。120MHz駆動の「なめらか倍速表示」を適用するアプリも、ここから個別に設定できる(従来は「設定」→「アプリ」から個別に設定する必要があり分かりづらかった)。
ハードのインタフェースという点では、外部接続端子がUSB Type-Cに変更された。急速充電の「Quick Charge 3.0」もサポートする。
シャープはAQUOS Rを、1年間で100万台販売することを目標に掲げている。これは「2016年夏モデルと比較して40%多い数字」(小林氏)だという。シャープにとっては強気の数字だが、ブランドを統一したことに加え、「液晶の性能やカメラの画質といった、満足度の高い機能が研ぎ澄まされることで、競争力のある商品になっている」と小林氏は自信を見せる。
一方で競合のソニーモバイルは「Xperia XZ Premium」、サムスン電子は「Galaxy S8」「Galaxy S8+」といったフラグシップモデルをグローバルでは発表済み(恐らく日本でも発売されるだろう)。スペックや性能はこれらのモデルと十分渡り合える内容なだけに、いかにしっかりブランディングできるかが、勝負の分かれ目といえる。またシェアの上積みを狙うなら、富士通が「arrows M03」でシェアを伸ばしたように、SIMロックフリー市場での展開も期待したい。
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