米Googleは8月21日(現地時間)、次期モバイルOSの正式名称「Android 8.0 Oreo」を発表し、一部端末向けに“間もなく”ローリングアウトを開始すると発表した。
これまで「Android O」と呼ばれていた。お菓子にちなんだ愛称が商標(Oreoは米Nabiscoのクッキーのブランド名)になるのは2013年のスイスNestleのKitKat以来2度目。
同日、ニューヨークでの発表イベントのライブ配信が予告されていたが、皆既日食を待つ人々がいるユニオンスクエアの小さなステージで新しいドロイドくん像を披露しただけで終わり、新機能などの紹介はその後公開された専用ページにまとめられている。
新しいドロイドはお腹がオレオになっており、日食によって生を授かった天から来たスーパーヒーローという設定。「より安全で、より速く、よりパワフル。かつてないほどにスイートなOS」という。
専用ページにまとめられた一般ユーザー向けの新機能を順番に紹介しておく。
まず、起動が従来の2倍速くなる(Google Pixelの場合)。また、稼働中のバックグラウンドアプリのアクティビティを最小限にすることで、バッテリー消費と使っているアプリの操作性を改善した。
設定で許可しておけば、「自動入力」機能でアプリのログインに使う個人情報を自動的に入力できる。
「ピクチャ イン ピクチャ」機能は、操作中の画面上に別のアプリの小さな画面を重ねて表示する機能。YouTubeなどの動画や、チャットアプリの画面を表示すると便利そうだ。例えばGoogle Duoで動画チャットしながらGoogleカレンダーで予定を確認したりできる。
通知機能も改善される。(アプリ側が対応していれば)アプリごとに通知を細かく設定できる。例えばそのアプリに通知がある場合、音や振動で知らせるか、「通知バッジ」を表示するかなどをアプリごとに決められる。通知バッジは、アプリに何か更新があるとアプリアイコンの右上に表示される小さなオレンジ色の丸。例えばInstagramの自分の投稿に誰かがコメントをつけると表示される。これをタップすると、「通知ドロワー」が開き、アプリを開かなくてもプレビューで通知内容を表示できる。通知は左にスワイプすることでスヌーズ(一定時間後に再通知する)もできる。
1月に発表した「Android Instant Apps(日本では「Androidプレビューアプリ」)」も(アプリ側が対応していれば)利用できるようになる。これは、Androidアプリをインストールせずにアプリの一部の機能を使えるサービス。例えば検索結果に表示された動画を、その動画の専用アプリをインストールしなくても再生できる。
Google I/Oで発表され、7月ごろから段階的にリリースされているセキュリティ機能「Google Playプロテクト」も使えるようになる。これは、端末を自動的にスキャンし、マルウェアが潜んでいないかどうかなどを調べる機能。
60以上の新しい絵文字が追加される。また、これまで独特な形だった顔文字が、普通の円形の絵文字に変わる。
Android Open Source Project(AOSP)の参加者は同日からソースにアクセス可能になる。以下の端末は通信キャリアのテストに入っており、“間もなく”ローリングアウトするという。
パートナーメーカーからは年末までにAndroid 8.0 Oreo搭載の端末が登場し、アップグレードもされる見込み。Googleはパートナーメーカーとして、Essential、General Mobile、HMD Global、Huawei、HTC、京セラ、LG Electronics、Motorola、Samsung Electronics、シャープ、ソニーの名を挙げた。
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