iOS 11にバージョンアップした後、カメラ回りはあまり変わってないように見える。けれど、実は細かい変化があり、注意したいポイントもある。
そこで、その辺をまとめておくのである。
一見すると、iOS 11のカメラアプリは以前と変わらない。相変わらず撮影は基本的にオートのみ。
撮りたい所をタップすればそこにフォーカスと明るさを合わせてくれるユーザーインタフェース(UI)もそのままである。iOS 10と同様に、カメラアプリで設定できるのは「ライト」「HDR(高ダイナミックレンジ撮影)」「Live Photos(静止画と同時に3秒間の動画を保存するモード)」「セルフタイマー」ぐらい。
ISO感度とかシャッタースピードとかホワイトバランスとかややこしい設定を楽しみつつ凝った撮影をしたい人や、撮った写真をRAW形式で保存したいという人はサードパーティーのアプリを使いましょうという、Appleらしさは健在。
iOS 10のカメラアプリと比べてみると、違いがあってもわずかだ。
が、要注目のポイントが4つある。
1つは「フィルター」。簡単にいうとフルリニューアルされて、より実用的なものに変わった。
iOS 10までのフィルターには、「フェード」や「インスタント」など、特殊効果的なものが混じっていた。
iOS 11ではそれを一新し、3パターンの「ビビッド」、3パターンの「ドラマチック」と、モノクロ(単色)系の「モノクローム」「シルバートーン」「ノアール」の計9つが搭載された。iOS 10から引き続き搭載しているフィルターはノアールのみ。
こうして見ると、より実用的になったということが良く分かる。フィルターは撮影後に写真アプリの「編集」からかけることもできるので、撮るときは「ノーマル」(フィルターなし)のままでも大丈夫だ。
2つ目は「QRコード」。従来のiOSではQRコード(3次元バーコード)の読み取りに別途アプリが必要だったが、iOS 11のカメラアプリではQRコードを読み取れるようになったのだ。
撮影モードとして「QRコード」を用意するのではなく、通常の撮影モードでQRコードを見つけたら自動的にさっと解釈して、画面上部にぴょこん通知として出てくるのはAppleらしい。
で、そこをタップすればQRコードの内容が実行される。
「QRコードを読みたかったんじゃない、普通に撮ろうと思ったらたまたまQRコードがあっただけなんじゃー」という場合は、この通知を無視してシャッターを押しても良いし、通知を上にフリックして消しても良い。その辺はスムーズ。
ただ、標準のカメラアプリでは、QRコードがあまりに小さいと認識してくれないことがある。QRコードをよく読み取る人は、引き続きQRコードアプリを別途インストールしておくことをおすすめする。私としては、QRコードを開発したデンソーウェーブの公式アプリ「公式QRコードリーダー“Q”」が良いと思う。
3つめは小ネタ。被写体の真上からの写真を撮りやすくなった。
カメラを真下に向けると、画面中央に黄色と白色の2つの小さな十字が現れる。これを1つになるよう合わせると、真上からの写真をしっかり撮れるのだ。
真上からの撮影って、けっこう難しい。特にiPhoneはレンズが本体の端に付いているから、感覚的に合わせづらい。それを踏まえると、この機能は便利。
たぶん、書類や名刺を真上から撮りたいニーズがあったんじゃないかと思うのだが、普通に撮影するときでも電子水準器を表示できるモードはあったら良いな思っている次第。
4つめはLive Photos(ライブフォト)。Live Photosモードで撮った写真に対して「ループ」「バウンス」「長時間露光」の3つのエフェクトを使えるようになったのだ。
これについてはiPhone 8のカメラ機能レビューでも書いたのでさらっとご紹介。
こんな感じ。
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