iOS 11の「カメラ」「写真」アプリの進化と注意点荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/2 ページ)

» 2017年10月29日 14時15分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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iOS 11の「写真」アプリは「モバイルデータ通信」を使うか否かをチェックすべし

 ちょろっとだけ、iOS 11の「写真」アプリの話も。こいつも新しくなったのだ。

 「Live Photos」や「長時間露光」という新しいアルバムが追加されたので、該当する写真を後から探すののが便利になった。

iOS 11のアルバム iOS 11の「写真」アプリでは、アルバムに「Live Photos」「長時間露光」が新登場。該当する写真を探すのが楽になった

 あと、画像の「編集」ボタンの位置が下から右上に移動している。

iOS 10の個別画像画面iOS 11の個別画像画面 個別の画像における「編集」ボタンの位置が下(写真=左)から右上(写真=右)に移動した

 あとはもう1つだけ。iCloudフォトライブラリでiCloudに写真を保存している人は見ておかねばならないのは「写真」の「設定」。設定画面の中に「写真」という項目があるので、ここをチェックしてほしいのだ。

 iCloudフォトライブラリは極めて良くできたシステムで、写真を撮ると自動的にクラウド上にバックアップしてくれる。

 しかも、iPhoneの内蔵ストレージが足りなくなると、古い写真から「写真の縮小画像」を残して自動的に消してくれる。自動的に削除はされるけれど、「ライブラリ」の内容や縮小画像は残っているので、古い写真自体はいつでも確認できる。削除済みの画像を見ようとすると、クラウドから自動的にダウンロードしてくれるので便利だ。

 「バックアップ」「ストレージの空き容量調整」「必要に応じたダウンロード」の3つを良きに計らってくれる上、紛失、故障、買い換えを繰り返しても(何らかの良からぬ事象によってクラウドのデータが吹き飛ばない限り)古い写真はクラウドに残り続けるので安心なのだ。

 ただ、写真の容量がでかいと有料になっちゃう。まあ、それはそれってことで。

iCloudフォトライブラリ 写真の設定内にある「iCloudフォトライブラリ」をオンにすると「バックアップ」「ストレージの空き容量調整」「必要に応じたダウンロード」の3つを自動で行ってくれる

 ……で、ちょっと前置きが長くなったけれど、何をチェックすべきなのか。

 実は、上の説明において、データ通信を2回行っている。1つは「バックアップのためのアップロード」、もう1つは「オリジナルの写真(画像)を見たり編集したりするためのダウンロード」だ。これをWi-Fiに接続している時にやるのは問題ないけれど、そうでない時にやると、写真を撮るたびにモバイルデータ通信(LTEや3Gでのデータ通信)が発生して、貴重なパケット(データ)容量を消費してしまう。

 iOS 11の場合、デフォルトでモバイル通信中(≒Wi-Fiにつながっていない時)もデータのやりとりをしちゃうのだ。そこが“要チェック”なのである。

 写真の設定画面には、「モバイルデータ通信」という項目がある。そこをタップした後の画面で「モバイルデータ通信」のスイッチがオンになっていると、モバイル通信でも普通に写真のやりとりをしてしまう。

 これをオフにすれば、Wi-Fiにつながっていない時にアップロードもダウンロードもしなくなる。

モバイルデータ通信 「モバイルデータ通信」の設定がオンになっていると、モバイル通信中もiCloudフォトライブラリの更新を行ってしまう

 けれど、写真のダウンロードが行われないのは正直不便。いろいろと不便。

 そこでチェックしたいのがモバイルデータ通信のスイッチの下にある「アップデートの制限なし」というスイッチ。ここをオフのままにしておけば、通信容量をある程度節約してくれるっぽい。

アップデートの制限なし 「アップデートの制限なし」をオフにしておけば、通信容量をある程度節約してくれる

 とりあえず、「アップデートの制限なし」の効果を試してみよう。

 まず、今まで「写真」アプリがどのくらいモバイルデータ通信を行っていたかチェック。「371MB」である。

Before 実験前の「写真」アプリの通信済み容量。371MBである

 続いて、「モバイルデータ通信」とのスイッチをオンにして、Wi-Fiをオフにして、写真を20枚くらい撮る。連写したりLive Photosで撮影したりしてみる。

 すると、さすがに固定回線のWi-Fiでの通信よりは遅いながらも、写真のアップロードが始まった。

 で、しばらく放置すると、いつの間にか「アップデートは一時停止されました」と表示が変わった。ひと安心。

アップロード開始 アップロードが始まったが……
一時停止 しばらくすると「モバイルデータ通信を節約中」と出てアップロードが止まった

 では、一時停止するまでの間にどのくらいモバイルデータ通信を行ったか。設定を見てみると、通信量が371MBから「424MB」に増えている。まあ50MB強、ってところ。思ったより多く通信していた。

424MBに増えた アップロードの停止までに50MB強の通信が発生していた

 つまるところ、「毎月データ通信容量がたくさん余る」「そんなに大量には撮影しない」という人は、モバイルデータ通信をオンにしておいた方が利便性は高まる。とはいえ「大量に通信されると困る」というなら、Live Photosでは撮影せず、画像形式を「高効率(HEIF)」にしておけば、データ通信容量を節約できる。

 一方、「モバイルデータ通信をあまり使いたくない」「データ通信はWi-Fi環境下でドッとやる」という人は、若干面倒だが必要に応じてモバイルデータ通信をオン・オフするのが良いかもしれない。

 ここ、モバイルデータ通信時に「アップロードはしないけどダウンロードはする」って設定が欲しいところでありますな。

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