パナソニック モバイルコミュニケーションズ(PMC)は5月29日、過酷な現場での業務にも使えるタフネスPC「TOUGHBOOK(タフブック)」シリーズの新ラインアップとして、スマートフォンの便利さと業務使用に耐える頑丈さを兼ね備えるハンドヘルド端末「TOUGHBOOK FZ-T1」を発表した。無線LAN専用の「Wi-Fiモデル」の他、NTTドコモとau(KDDI・沖縄セルラー電話)のLTEネットワークに最適化したモバイル通信(通話・データ)機能を備える「LTE(docomo)モデル」「LTE(au)モデル」を用意する。いずれも10月の発売を予定しており、LTEモデルの販売価格は8万円程度になる見通しだ(Wi-Fiモデルの想定価格は未定)。
なお、NTTドコモから2018年夏に発売される予定の法人向けスマホ「TOUGHBOOK P-01K」はFZ-T1の“バーコードリーダーレスモデル”のような仕様となっており、並行して商品化が進められた。
同日に行われた発表会では、FZ-T1の製品コンセプトと事業戦略を同社の武藤正樹社長が説明した。
PMCは公共、物流、製造、小売の現場で働く人たちを対象にしたハンドヘルド端末や決済端末を30年に渡って提供してきた。現在は、それらに搭載する業務アプリ、決済アプリ、セキュリティソフトなどのソフトウェア、さらにサポートも一貫して提供しているという。
特に公共、物流分野では、屋外の厳しい環境に耐え、大容量バッテリーを搭載して長時間使える「TOUGHPAD FZ-N1」や「TOUGHPAD FZ-X1」が評価され、世界中で利用されていると武藤氏は説明。このラインアップに、「スマホの利便性と業務使用に耐える頑丈性を兼ね備えたFZ-T1を追加し、『堅牢性はそこまで高くなくて良いけれど一般のコンシューマ向けスマホでは対応できない長期間のサポートは必要』というような新たなニーズに対応する」と意気込む。
最新モデルであるFZ-T1は、従来機の頑丈さを継承しつつ、バーコードリーダーを搭載し、LTEモデルではAndroidスマホとして通話やデータ通信も可能。しかも軽量でポケットに入るサイズ(高さ154×幅75×厚さ13.1mm)に仕上げられており、TOUGHBOOKシリーズの中では最軽量(約240g)となった。
1996年、「壊れないPCがほしい」という要望に応えて「TOUGHBOOK」ブランドが生まれた。一方、2012年にはそのタブレット版として「TOUGHPAD」ブランドが生まれ、2014年に登場したハンドヘルド(片手で持てる)端末もTOUGHPADブランドでリリースされた。
「頑丈ノートPC世界シェア16年連続No.1」を守ってきた両ブランドだが、今回のFZ-T1リリースを機にブランドを「TOUGHBOOK」に統一することになった。
「ブランドを統一することで、より分かりやすく、より多くのユーザーに認知してもらえる」と武藤氏は期待を寄せる。PMCは引き続き、TOUGHBOOKとソフトウェアを合わせたソリューションを提供していく。
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