トリプルカメラ+AIの実力は? 「HUAWEI P20 Pro」のカメラを試す(2/5 ページ)

» 2018年06月24日 15時30分 公開
[荻窪圭ITmedia]

P20 Proはいったい何万画素のカメラといえばよい?

P20 Proで撮影するの図 P20 Proで撮影するの図

 面白いのは、3つのセンサー全ての“画素数が違う”こと。

 じゃあP20 Proのアウトカメラは「何万画素」なのか。

 答えは「1000万画素(10M)」。

 「写真」モードでは標準サイズが「10M(3648×2736ピクセル)」に設定されている。設定画面を見ると「40M(7296×5472ピクセル)」も選択できるけれど、望遠が使えないなど機能面での制約が多い。10Mなら全機能を使える。

撮影解像度の選択画面 画像サイズとして「40M」も選べるが、望遠が使えないなど制限が大きい

 10Mモードでは、40M分のデータから10Mの画像を作り出すのでディテールも締まってきれいな絵になる。望遠カメラを使うときは、8Mのデータから(恐らくはちょっと補完して)10Mの画像を作り出すわけである。

 では、ちょいとガスタンクで40Mと10Mを撮り比べ。

ガスタンク(40M) 40Mモードで撮ったガスタンク(1/3390秒、F1.8、ISO50)
ガスタンク(10M) 10Mモードで撮ったガスタンク(1/3984秒、F1.8、ISO50)

 中央部は40Mの方が解像感あるけれど、周辺部を見るとクオリティ的に結構ギリギリな感じもある。ファイルサイズも大きくなることを考えると、基本サイズを10Mに設定したのは正しいと思う。

 40Mのデータを10Mにするということは、4ピクセルから1ピクセルを作り出すというわけで、ディテールの描写力や暗所でのクオリティー面で有利なのだ。「大きくプリントしたい」など、どうしても40Mサイズが欲しいとき以外はデフォルトの10Mのままにしておくのが幸せそうだ。

 さて、次は望遠。

 カメラアプリの中央下(横位置で持った場合)にある「1x」という所をタップすると、表示が「3x」となり、望遠カメラに切り替わる。

 ズーム倍率を調整したい場合は、ここを左右にスライドすればOK。

3xモードに切り替え ズーム倍率を「3x」にすると望遠カメラに切り替わる

 で、撮ったのがこちら。

望遠カメラでガスタンク 望遠カメラでガスタンク。センサーサイズが小さいので心配したが、これだけ写ればOK。ISO感度はISO50が基準になるようだ(1/2304秒、F2.4、ISO50)

 さすが、イメージセンサーが小さいとはいえ、晴天下だとクオリティーは十分。ディテールも結構しっかりしている。この望遠は良い。

 8Mのセンサーから10Mの画像を作り出しているわけだが、あまり気にならない。

 望遠撮影には、さらに「5x」を選択できる。

 これは「ハイブリッドズーム」と呼ばれているもので、望遠レンズを使いつつ、恐らくは4000万画素のメインカメラのデータも使ってディテールを補完しているんだろうと思う。

5xモードに切り替え 「3x」からもう1回タップすると「5x」い切り替わる。さらにもう1回タップすると「1x」に戻る

 5xにすると、135mm相当の望遠になる。

 これがけっこう良い。十分に使えるレベルだ。

5xモードでガスタンク 5xにしてガスタンクを撮影。5倍……つまり135mm相当になるとかなり望遠っぽい写りに

 5xになると、かなり望遠的な写りに。等倍で見るとちょっと塗ったような感じが見受けられるが、十分に実用的。

 ただ、望遠カメラはセンサーサイズが小さいため、高感度には弱い。明るい場所ではISO50で撮影されるので良いが、暗い場所だと感度が上がってちょっと画質は落ちるし、シャドウ部のノイズが乗りがちになるので注意。

ISO400の望遠 ISO400で望遠。ネコの毛がややつぶれがちになっているのが分かると思う。でも、このくらいなら良いかなって気もする

 もう1つ、望遠カメラは撮影最短距離が短い。そのため、近距離で「3x」に切り替えると、望遠カメラの代わりに「メインカメラ+デジタルズーム」が使われる。

 とはいえ、4000万画素のデータがベースとなるのでデジタルズームでもクオリティーは高い。

近距離にある花を撮影 3xで撮影した花。被写体までの距離が近いため、使ったのはメインカメラのデジタルズームになった

 まあそんな感じで、3つの異なる画素数のセンサーを必要に応じて組み合わせて、10Mサイズの画像を作り出す、というのがP20 Proのポイントと思って良い。

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