―― 親会社(ソフトバンクグループ)の決算資料を見ると、ソフトバンク(SoftBank)ブランドが良く伸びていて、Y!mobileブランドの伸びが鈍いように思える(参考記事)。より大容量のプランが求められているということなのか。
寺尾氏 私たちのストック(契約者数)が増えてくると、解約者数も増える。そういう意味で獲得(新規契約者数)そのものが落ち込んでいるわけではない。
―― ソフトバンクのネットワークを使うMVNOサービスが増えてきた。“競合”としてみなすのか。
寺尾氏 競合かといえば競合になるとは思うが、それは「LINEモバイル」を指しているのか。
(筆者注:LINEモバイルは3月31日付でソフトバンクの子会社となった)
―― それはもちろんだが、ケイ・オプティコムの「mineo」などもある。
寺尾氏 mineoは明らかに競合。一方で、LINEモバイルは同じグループ内にいるので難しい所だが、お互い切磋琢磨(せっさたくま)していければ良いと思っている。
以前もお話ししたが、お客さまにとって良いことをやっていって、誰が支持されるかということだと思う。ルールの中で、お客さまに(サービスを)提供していって、それで支持されれば私たちが成長できるだろうし、他のキャリアやMVNOが支持されて成長することもありうる。
負けないように頑張っていくが、最後はやはりお客さまにちゃんと使ってもらって、インターネットの便利さや楽しさを体感してもらうことに尽きると思う。
―― LINEモバイルとはどのようにすみ分けを図っていくのか。
寺尾氏 2〜3年前、「ソフトバンクとY!mobileはどうすみ分けるのか」という質問をいただいた。それと同様に、何とかやっていくんだとは思う。
―― 今回の容量アップで、価格(プラン)面でもLINEモバイルに近づいてしまっている。LINEモバイル側を値下げするといった策は考えているのか。
寺尾氏 現時点で決まっていることはない。
私たちもLINEモバイルも、より使いやすくしていって競争が“激化”すれば皆さんの期待に応えられると思う。
―― 沖縄県以外でY!mobileを取り扱うソフトバンクショップが増えている。販売面で効果はあったか。
寺尾氏 プラスが出ないのならやらないです(笑)。
現在、約1300のソフトバンクショップでY!mobile商品を取り扱いいただいている。Y!mobileショップは1000店舗ほどあるが、その商圏外における販売やサポートの拠点という位置付けだ。
―― Y!mobile目当てにソフトバンクショップに来たユーザーがソフトバンク(ブランド)を契約する、ということもあるのか。
寺尾氏 店頭ではさまざまな商品を提案するので(そのようなこともあると思う)。
お客さまが大容量、あるいは最新のiPhoneを求めるならソフトバンク、低容量で安くというのであればY!mobileというすみ分けをしていると聞いている。
Y!mobileの契約者は「Mプラン」が中心。(新規契約・機種変更から1年目は)月額2980円、家族割引適用で2480円、「SoftBank光」の割引適用で2280円といった価格感となっている。「松竹梅」でいえば「竹」が一番選ばれている感じだ。
―― そうなると、Y!mobileブランドのARPU(1回線当たりの平均収入)は2980円ぐらいになるのか。
寺尾氏 いろいろな調査で見ると分かると思うが、額としてはもう少し大きい。
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