インタビュー
» 2018年11月05日 06時00分 公開

MVNOに聞く:シンプルになった「nuroモバイル」 一方で“らしさ”はどう出す? 細井氏に聞く (3/3)

[石野純也,ITmedia]
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ソフトバンク回線がドコモ回線よりも高い理由

―― 話を新料金に戻しますが、ソフトバンク回線は、逆にプランが増えている形になります。

細井氏 ソフトバンク回線は2017年12月に出しましたが、1GB刻みにせず、あえてプランを2つに絞っていました。通常のわれわれの考え方だとそこも同じ1GB刻みにしていたのですが、あえてお客さまの使われ方を見るため、分けた形にしていました。今回の前哨戦ではありませんが、それも踏まえたうえで、3つぐらいが選びやすいという結論になっています。

nuroモバイル ソフトバンク回線のリニューアル内容

―― 価格がドコモ回線と違うのはなぜでしょうか。

細井氏 値段を合わせる努力はしたのですが、そこは調整しきれず、ああいった形になりました。全体的な運営コストが、ドコモ回線とは違うからです。全てのオペレーションがドコモ回線と全く一緒だったら、コスト削減もできますが、やはりそこはキャリアごとの違いがあります。もっとうまく回ってコストを吸収できれば値下げしていくことはできますが、そこまでまだ追い付いていない状況です。ユーザーが積み上がってくれば、固定費の部分は下げられるので、タイムラグの問題でもあります。

他社との比較対象に挙がりやすくなった

―― 冒頭でマジョリティーに広がってきたというお話がありましたが、店舗展開が弱い印象もあります。ソニーストアを活用するなど、何かアイデアはあるのでしょうか。

細井氏 ソニーストアについては実機を見ていただく場所にしていて、あえてカウンターは設けていません。われわれとしてはなるべくコストを下げ、その分をお客さまに還元したいと考えています。ですから、店舗を広げたり、テレビCMを打ったりはせず、基本的にはWebでの申し込みだけにしています。マジョリティーに市場が拡大してきているので、逆に気軽にWebで申し込みをする方も増えています。

―― とはいえ、家電量販店では扱っていますよね。

細井氏 はい。量販店での取り扱いはあります。量販店ではさまざまなMVNOのSIMカードが販売されているので、その中でいかに選んでいただくかが勝負になります。今回は他社と同じようなプランになってしまったとおしかりもいただく一方で、逆に比較対象として、MVNO一覧の表に載りやすくなったのはメリットです。

 今まではとがっていた反面、表に入りきらずに別枠で「こういうのもあります」と書かれていたので(笑)。文章だとなかなか読まれないですからね。量販店さんからすると、弊社のプランをどこに並べればいいのか、難しいところがあったのだと思います。説明も難しくなってしまいますから。新料金プランで激流の中に入っていく形にはなりましたが、認知もされやすくなったと思います。

取材を終えて:“nuroモバイルらしさ”をどう打ち出すか

 独特なプランで差別化を図っていたnuroモバイルだが、玄人向けの印象があった。毎月どの程度の容量を使うかを把握したうえで、1GB刻みの中からピッタリのプランを選ぶのは意外と難しい。仮に毎月大体5GBといった形で使用量が分かっていたとしても、節約志向なら4GB、余裕を見るなら6GBと選択肢が変わってくる。自分で選ぶのはもちろん、人に勧めるのもなかなかハードルが高い。こう考えると、大きく3つの料金プランを絞ったのは正解という気がする。

 特に上位MVNOが数社に集約され、MNOのサブブランド比率が高まっている現状では、ここに対抗するための選択と集中が必要になる。一方で、“nuroモバイルらしさ”がやや薄くなった感は否めない。Xperia XZ Premiumとプレミアム帯域オプションを組み合わせたサービスのように、グループの特徴を前面に打ち出した取り組みは今まで以上に重要になりそうだ。

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