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» 2018年11月14日 06時30分 公開

荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ:AIの力でデュアルカメラ超え? 「Pixel 3 XL」の“賢い”カメラの実力を見る (2/3)

[荻窪圭,ITmedia]

シングルカメラの「ポートレートモード」ってどう?

 「超解像ズーム」「HDR」ときたら、次はやはりこれ。「背景ぼかし」。ポートレートモードですな。

 「前景と背景をちゃんと区別して背景をキレイにぼかすなら、デュアルカメラが良い」という風潮に、一石を投じようとしているPixel 3 XL。「Googleの持つ技術力とノウハウとAI(人工知能)の力があれば、シングルカメラでもここまでいける」という出来なのか。

Pixel 3 XLのイメージ

 能書きは抜きにして、とにかく撮ってみる。背景をぼかしたい場合は、カメラのモードを「ポートレート」に切り替える。

通常のカメラモード 通常の「カメラ」モードから……
ポートレートモード 「ポートレート」モードに

 ポートレートモードにすると、ちょっと望遠になった。2倍まではいかない。1.5倍くらい。

 ぼかし処理を入れる関係で、少し周辺部を捨てているのか、ポートレートに適した画角にするためあえて少しデジタルズームをかけているのか。詳細は不明だが、このことをちょっと頭にいれておきたい。

 今回は、一番切り取りづらい「背景がごちゃっとした」構図で撮ってみた。ちょっといじわるだけれど、背景が空だったりすると、きれいに抜きやすい(背景をキレイにぼかしやすい)から。

 ポートレートモードで撮影すると、背景をぼかしていない元の画像と、ぼかした画像の2枚が同時に記録される。

 こんな感じで。

ポートレートモード(ぼかしなし) ポートレートモード(ぼかしなし)
ポートレートモード(ぼかしなし) ポートレートモード(ぼかしなし)

 では、ポートレートモードに有利とされるデュアルカメラなiPhone XSでも撮ってみよう。

iPhone XSのポートレートモード iPhone XSのポートレートモード

 髪と背景の境界を良く見ると、Pixel 3 XLってめちゃ頑張ってない? むしろ、iPhone XSの方が不自然に見える箇所もあるくらい。

 さすがにiPhone XSはデュアルカメラを生かした「奥行き情報」を持っているため、顔にピントが合って、右肩は少しぼけて、背景はさらにぼけて……って感じで立体的なボケ感を見せている。対してPixel 3 XLは「人は人」「背景は背景」という処理になるので、書き割りっぽいボケ方になる。

 でも、これだけきれいにメインの被写体と背景を判別してくれるのなら、かなりすごい。普通に使える。

 ちなみにPixel 3 XLの「Googleフォト」アプリでは、ポートレートモードで撮った写真にはそれを示すアイコンが付く。

Googleフォトアプリ Googleフォトアプリでは、ポートレートモードで撮影した写真にそれを示すアイコンが表示される

 このアイコンが付いている写真を開いて編集すると、後から「奥行き」の調整ができる。ボケの大きさをコントロールしたり、背景にフォーカスを切り替えたりすることもできる。

編集画面 ポートレートモードで撮った写真の編集画面。「奥行き」のスライダーを左右すると、背景のボケ具合を調整できる
背景ボケを大きく背景ピント合わせ スライダーを思いきり右にスライドさせてボケを大きくしてみた(写真=左)。背景をタップすると、背景側にフォーカスを合わせることもできる(写真=右)

 Pixel 3 XLのポートレートモードには「顔レタッチ」という機能がある。デフォルトでは「ナチュラル」に設定されているが、「オフ(無効)」にしたり「ソフト」に切り替えたりもできる。

 まあファーウェイやサムスンのような派手な「ビューティー化」「美肌化」はしない。デフォルトのまま使っても良いだろう。

顔レタッチ 顔レタッチは「オフ」「ナチュラル」「ソフト」から選択可能(デフォルトはナチュラル)

 ということでデフォルトのナチュラルで撮影。

ナチュラルで撮影 ポートレートの「ナチュラル」で撮影

 ここで、もう一度iPhone XSに登場いただき、同じシーンを撮ってみる。

同じシーンのiPhone XS iPhone XSで同じシーンを撮影

 こっちはiPhone XSの方が自然かな。

 望遠カメラを備えることもあり、iPhone XSの方が望遠なので、ポートレートモード時のパースはその分きれいに出る。

人物以外の「ポートレート」はどう?

 さてポートレートモードといっても、人物だけを撮るわけじゃない。背景をぼかせるとなると、いろんなものを撮りたくなる。

 例えば花とか。

コスモス コスモスをポートレートモードで。背景がキレイにボケて、判別しづらい「茎」もおおむね大丈夫

 観音様とか。

観音様 可愛い観音様がいたのでつい。前景と背景がキレイに分かれている

 親亀の背中に子亀を乗せて、とか。

親子亀 亀の親子。水しぶきはどうかなと思ったけれど、けっこうちゃんと撮れていた

 そばとか。

そば そば。近距離でぼかして撮りたいとなると、やっぱり料理だよねってことで

 デュアルカメラのiPhoneやサムスン電子のGalaxyのハイエンドモデルのように「広角+望遠」構成のデュアルカメラを使って背景ぼかしをする機種では、望遠カメラの撮影最短距離の都合から、料理とか小物をメインに据えて背景をぼかすような撮影は難しい。近いとピントが合わなくなるから。

 その点、Pixel 3 XLは近距離でもポートレートモードを使える。ただし、そもそも近距離で撮影すると背景はナチュラルにぼけるので、ポートレートモードを使ってもあまり差はでない。

 まあそういうもんです。

ボケなしそば 先ほど撮影したそばの写真と一緒に保存された、ぼかしのないバージョン。よく見ると分かる通り、近づいて撮ると差は出にくい

 背景ボケ話の最後は花。細くて複雑な物体が絡み合っている構図で撮ってみる。

 Pixel 3 XLで背景ぼかしをかけないで撮った元写真はこれ。

ボケなし Pixel 3 XL(ボケなし)

 ごちゃごちゃとしていて、どれが手前でどれが奥か判別難しそう、ってことがよく分かる写真だ。

 これに背景ぼかしをかけるとこうなる。

ボケあり Pixel 3 XL(ボケあり)

 けっこう頑張った。所々で枝が消えちゃっているけれど、かなり頑張っている。

 ではiPhone XSではどうか。

iPhone XS iPhone XS

 実はこれ、iPhoneがすごく苦手とする構図なのだ。今回撮った花は「ホトトギス」という秋に咲くものなのだけど、花がいくつか宙に浮いちゃっている。

 iPhoneは人物は得意だけれど、こういうのはちと苦手なのである。

 シングルカメラのPixel 3 XLがここまでレベルを上げているのだから、デュアルカメラなスマホも一層精進しないといけませんな、という話でした。

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