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» 2018年12月19日 20時18分 公開

単月黒字化を達成:「TONE SIM(for iPhone)」が進化 YouTubeやLINEも制限OK、AIが子どもを守る機能も

トーンモバイルが12月19日、iPhone向けの通信サービス「TONE SIM(for iPhone)」をバージョンアップ。同社がネットワークを制御することで、プリイン以外のアプリも制限できるように。AIが子どもの異常な動きを検知して親に緊急通知をする機能も追加した。

[田中聡,ITmedia]

 トーンモバイルが12月19日、iPhone向けの通信サービス「TONE SIM(for iPhone)」をメジャーアップデートした。

TONE SIM(for iPhone) 12月19日から利用できる「TONE SIM(for iPhone)」

 TONE SIM(for iPhone)は、トーンモバイルのAndroid端末で提供している見守りサービス「TONEファミリー」を、iPhoneでも使用可能にするもの。月額料金は1500円(税別、以下同)で、インターネットの使い放題やIP電話の基本料金が含まれる。iPhone 5s以降のSIMロックフリー版かドコモ版、SIMロックを解除したau版とソフトバンク版で利用できる。

 従来のバージョン(1.0)では、以下の機能が利用できる。

  • 子どもの居場所確認
  • プリインストールアプリの利用制限
  • App Storeに登録されている年齢対象のレーティングに合わせたアプリ制限
  • 危険なサイトをブロックできる「あんしんインターネットLite」(無料)
  • 親が許可したサイトだけを閲覧できる「あんしんインターネット」(月額100円※親がトーンモバイルユーザーでない場合)
  • 危険と思われる電話から着信があった場合に警告を表示する「あんしん電話」

YouTubeやLINEの制御も可能に

 新バージョンの2.0では、従来のプリインストールアプリだけでなく、サードパーティーのアプリも制限可能にする。ただしアプリごとに通信を解析する必要があるため、当初は「YouTube」「LINE」「Facebook(Instagram)」「Twitter」に限り、モニターテストに申し込んだユーザーのみ制限可能にする。モニターテストに参加した人は月額料金から500円を割り引く。テスト期限は現時点では定めていない。このモニターテストでは、アプリやWebの使用を「時間ごとに」制限できるようにもなる。

TONE SIM(for iPhone) 主なアップデート内容

 例えばYouTubeを使用禁止にすると、アプリを立ち上げても何も表示されなくなる。LINEを使用禁止にすると、相手がスタンプを送っても自分の画面には何も表示されなくなる。

TONE SIM(for iPhone) YouTubeの利用を制限した状態
TONE SIM(for iPhone) LINEの利用を制限した状態

 トーンモバイルのAndroid端末は、端末側でアプリの制限ができるが、iPhoneでアプリを制限するには、ネットワークに手を入れる必要がある。そこで、親会社のフリービットが開発した「AIファイアウォール」というシステムを活用。AIファイアウォールは、ソフトウェアで定義されたネットワーク構成の「SDN」、通信を暗号化する「VPN」と、「AIフィルター」で構成されている。

TONE SIM(for iPhone) トーンモバイルの石田宏樹社長

 AIファイアウォールについて同社は「キャリアグレードファイアウォール」とも呼ぶ。トーンモバイルの石田宏樹社長は、今回のネットワーク制御は「キャリアがガラケーにやっていたことに近い」と言う。スマートフォンでは、端末の細かな制御ができるのは「OSを作っている2社(AppleとGoogle)」だとし、「ガラケー時代にあったような、どんな端末がつながってもフィルタリングが機能する、そういうものを作っていきたい」と同氏。TONE SIM(for iPhone)ではネットワーク側を制御することで、サードパーティーのアプリやブラウザを時間ごとに制御できるようになったというわけだ。

 なお、TONE SIM(for iPhone)のSIMが挿した状態では常にVPNに接続されており、これはWi-Fi接続時も同様。そのため、通信が暗号化されていないフリーWi-Fiを安全に利用できるというメリットもある。

TONE SIM(for iPhone) 常時VPN接続となる「AIファイアウォール」
TONE SIM(for iPhone) アプリやサイトを時間ごとに制限できる

「AIでスマホが守る」機能を提供

 この他、あんしん電話が音声オプションの着信にも対応し、標準電話アプリでも迷惑電話を検知可能になった。このあんしん電話に用いている「TONEあんしんゲートウェイ」を拡張。インターネットと現実世界の行動データを相互学習し、個人向けに最適化するという。

TONE SIM(for iPhone) 迷惑電話の判定に活用している「TONEあんしんゲートウェイ」
TONE SIM(for iPhone) ネットと現実世界の行動を学習する

 このAIを活用した機能として、TONEファミリーに異常検知機能を提供する。TONE SIM(for iPhone)を入れたiPhoneを持った子どもの移動を検知し、通常の行動とは違う「異常」な行動を検知すると危険な状況だと判断し、保護者に緊急アラートが入る。これはトーンモバイルのAndroid端末にも提供される。

 石田氏は、異常検知機能について「当初は教師データを使うが、データが集まることで、個人ごとにカスタマイズされ、例えばこの場所でこのアプリを使うはずがない、この時間に電話をかけるはずがない、といった動きを検知する」と説明する。

TONE SIM(for iPhone) 子どもの異常な行動を検知して親に通知をする

 緊急アラートは単なる通知ではなく、親が気付きやすくなるよう電話の着信と同じ挙動で通知が来る。そこからアプリに切り替わり、子どもの移動状況を確認したり、電話をかけたりできる。トーンモバイルはこれを「スマート通知」と呼んでいる。

TONE SIM(for iPhone) スマート通知は着信と同様の流れで通知される
TONE SIM(for iPhone)TONE SIM(for iPhone) 着信画面からアプリを起動して子どもの居場所を確認したり、子どもに連絡を取ったりできる

 今回のアップデートの狙いは、子どもの「ネット生活」と「日常生活」の両方を守ること。同社は「AIでスマホが守るサービス」を実現していくとしている。

TONE SIM(for iPhone) iPhone上でも、ネットと日常から子どもを守ることを目指す

9月に単月黒字化を達成

 石田氏は、12月19日の発表会で、トーンモバイルの直近の状況も説明。2018年9月単月で、トーンモバイルが黒字化を達成したことも紹介した。

 トーンモバイルのユーザー属性は、2018年11月末時点で、19歳以下が42%、50代以上が31%で、子どもとシニアだけで73%を占める。2018年11月30日からは、自治体や学校を対象に、トーンモバイルを紹介しつつ、スマートフォンの安全利用について啓発をする「スマホあんしんラボ」を開始した。

TONE SIM(for iPhone) フリービットの業績。トーンモバイル単体で9月には黒字化も達成した
TONE SIM(for iPhone) トーンモバイルユーザーの年齢層

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