インタビュー
» 2018年12月24日 06時00分 公開

開発陣に聞く「Xperia XZ3」 有機ELの画質や焼き付き対策、6型ノッチなしの理由(2/3 ページ)

[田中聡,ITmedia]

「焼き付き」の対策は?

 有機ELと聞いて気になるのが「焼き付き」だが、Xperia XZ3ではどんな対策を施しているのか。松原氏によると「焼き付きやすいのは、固定して表示するアイコン」であるため、この点を工夫した。具体的には、画面下部のナビゲーションバーに表示される3つのアイコン(ホーム、戻る、アプリ履歴)を、3秒ほどたつと薄く表示するようにし、元の色に戻るタイミングで、数ピクセル位置をずらしているという。コンマ数ミリで移しているため、肉眼では分からないレベルだ。

Xperia XZ3Xperia XZ3 画面下のナビゲーションバーは、じんわりと薄くなり、数ピクセル移動する

 また、焼き付きは、同じ表示を続けると起こりやすくなるため、Xperia XZ3ではディスプレイの連続表示時間を最大10分までに抑えている。10分程度の表示なら、焼き付きは問題ないとのこと。

Xperia XZ3 連続表示は10分までとした

 スリープ時にも時刻や通知、画像などを表示する「Always-on display」も、焼き付きの観点で配慮の必要な機能だ。そこで、こちらも1分間に1回、表示内容を細かく動かすことで対策している。

Xperia XZ3 Always-on displayも表示内容を動かしている

6型の理由、ノッチは?

Xperia XZ3 商品企画担当の矢部椋氏

 Xperia XZ3では、ディスプレイサイズがXZ2の5.7型から6型にアップした。6型としたのは、「横幅72mm前後で、スマートフォンとしての持ち心地を考えた結果」(矢部氏)だという。左右の端がカーブしていることで、幅はXZ2の72mmから1mm増えたのみ。画面のアスペクト比はXZ2から引き続き18:9とした。ちなみに2018年夏に発売された「Xperia XZ2 Premium」のアスペクト比は16:9だが、なぜまた変更したのか。

 「画面サイズの考え方は、ユーザーが見るコンテンツとのバランスを重視しています。スマートフォン自体がどんどん縦長になっている流れはありますが、どこに落ち着くかは議論しています」と矢部氏は話す。「Netflixでは18:9のコンテンツも一部では配信しています。ゲームアプリもネイティブで18:9に対応しているものもあります」と松原氏が話すように、18:9のコンテンツは増えつつあることから、今後はこの比率が標準になりそうだ。

 流行といえば、Xperiaではほぼフルスクリーンを実現する代わりに、画面上部に切り欠きを加える「ノッチ」は採用していない。矢部氏は「スマートフォンとしてはなるべく大きな画面で楽しみたいですが、ノッチだけが解ではありません」と言う。Xperia XZ3では前面の上部と下部にスピーカーを搭載している関係で、上下いっぱいに画面を伸ばすことが難しい。また、ノッチありだとコンテンツが欠けて表示されるというデメリットもある。「ノッチがあるかないかというよりは、画面の比率や本体サイズ次第だと思います」(矢部氏)

Xperia XZ3 Xperia XZ3(左)の方がXZ2(右)よりもベゼルが狭く、画面占有率が高くなっている

 厚さが11.1mmもあったXperia XZ2から、XZ3では9.9mmへとスリムになった。これは有機ELを採用したことに加え、内部構造も改善することで実現した。また側面のメタルフレームも細くしつつ、7000番台のアルミに変更したことで、XZ2のフレームと同等の強度を確保した。ガラスは両面にCorning Gorilla Glass 5を採用したが、ガラスは両面とも端がカーブしている。落としたときの衝撃で割れやすくなることが心配されるが、「ソニーモバイル独自の厳しい評価をしており、他社と比べても強度の基準は厳しい」(矢部氏)そうだ。

Xperia XZ3 Xperia XZ3(左)の方がXZ2(右)より1mm強薄くなった

「サイドセンス」の狙いは片手操作だけにあらず

Xperia XZ3 UX商品企画担当の高橋りさ氏

 側面をダブルタップすると、専用のメニューが現れて、ショートカットの操作やアプリの起動ができる「サイドセンス」も注目の新機能だ。これは片手で操作しやすくすることに加え、UX商品企画担当の高橋りさ氏によると、目当てのアプリをすぐに見つけられるようにするという狙いもあるという。ここには、AIが日々の使用状況や時間、場所などから予測したアプリを表示する他、任意のアプリを固定することもできる。通知バーを下げる操作や戻る操作、シャッターを切る操作もできるなど、片手操作に配慮した作りになっている。

 このサイドセンスは、タッチパネルのセンサーをチューニングすることで実現しており、フレームにセンサーを入れているわけではない。従って触れるのはあくまで「画面の端」。通常のタッチ操作で誤反応したり、通常のタッチ操作の反応が鈍くなったりしないよう、パネル端の感度は、通常のタッチとは分けて実装した。サイドセンスが反応するのは左右の端のみで、かつ誤作動を防ぐため、ユーザーの握っている位置を感知してそれ以下の領域は反応しないようにした。また、横向きではサイドセンスは作動しなくした。それでも誤操作する確率は0%ではないので、サイドセンスの感度を調整できるメニューを用意した。

Xperia XZ3 側面をダブルタップすることで専用メニューを呼び出せる「サイドセンス」
Xperia XZ3 サイドセンスで、ユーザーの握っている位置を感知するデモ。緑色の部分(ここでは右端のみ)のみ反応する
Xperia XZ3
Xperia XZ3 サイドセンスの有効範囲(上)やダブルタップの速さ(下)を調整できる

 サイドセンスには追加のハードを使っているわけではないものの、深いところまでチューニングしているため、過去機種に展開するのは難しいとのこと。

 なお、Xperia XZ3はAndroid 9.0をプリインストールしているが、ホーム画面のUI(ユーザーインタフェース)は9.0標準のものではなく、従来通りのナビゲーションバーを残している。高橋氏によると、「お客さまをビックリさせないよう、慎重に使い勝手を考慮した」結果だという。「Xperiaホームはどこよりも使いやすく作っている自負があります。従来のUIでもXZ3の体験そのものは問題ありません」(同氏)

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