2018年のモバイル業界を振り返る(12月編):ソフトバンク・Y!mobileが大規模通信障害/PayPay祭りMobile Monthly Top10

» 2019年01月03日 17時45分 公開
[井上翔ITmedia]

 2019年を迎えました。今年もITmedia Mobileをよろしくお願いいたします。

 さて、怒濤の勢いで去っていった2018年ですが、その最終月、12月の月間アクセスランキングをまとめてみました。

 12月は「師走(しわす)」ということで、何かと忙しくなる1カ月。モバイル業界的には、次の四半期から始まる年間最大の商戦期「春商戦」に向けた準備の月です。

 2018年の師走は、12月6日に発生したソフトバンクとY!mobileの4G LTE携帯電話の通信障害を伝える記事が一番良く読まれました。

 この障害は2018年2月固定電話に関する障害と比べると、影響を受けた回線数は約3060万回線と、かなり大規模なものとなりました。

 その障害の原因は、「MME(Mobility Management Entity)」と呼ばれる装置において、ソフトウェアのTLS証明書(セキュアな通信を行うための証明書)の有効期限が切れたことにあります(参考記事)。普段私たちが使っているインターネットでも、TLS証明書を含めたセキュリティ証明書の期限切れには時折遭遇しますが、今回はミッションクリティカルな部分において発生してしまったという点は見逃せません。

 ソフトバンクは対応策を発表済みですが、これを契機により安定性の高い携帯電話ネットワークの構築につながることを期待したいです。

時系列 12月19日の上場記者会見で示された障害の時系列

 2位以下は、9記事中7つがソフトバンクとヤフーの合弁会社による決済サービス「PayPay(ペイペイ)」に関するものとなりました。

 PayPayは12月4日に「100億円あげちゃうキャンペーン」を開始。その後、当初予定より大幅に早く12月13日をもって終了しました。その間、何度かシステム障害が発生し、セキュリティ面での甘さに起因するクレジットカード(デビットカード・プリペイドカード)の「不正利用」問題も発生しました。

 良くも悪くも話題となったPayPayは、コード決済の中では間違いなく高い知名度を得ました。しかし、キャンペーンなどで「獲得」したユーザーが継続して使う上でのモチベーションに欠けていることが昨今の不安要素です。筆者の周囲では、キャンペーン期間中には“ものすごく”積極的にPayPayを使う人が多くいましたが、その終了後はPayPayを使って買い物をしているという話をほとんど聞かなくなりました。

 次の「チャンス」は、キャンペーンによるポイントバックが行われる1月10日。このタイミングに合わせて、次なる利用促進キャンペーンを行うかどうか、注目されます。

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