今日から始めるモバイル決済

後発だが勝機あり? スマホ決済「au PAY」の狙いと課題石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2019年04月06日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

他社ユーザーをどこまで取り込めるか? 利便性には課題も

 もっとも、オープン化はあくまで他の決済事業者と同じ土俵に立ったというだけにすぎない。サービスそのものに魅力がなければ、いくらau IDを開放しても、ユーザーの数は増えない。現時点でのau PAYが、他社のユーザーでも使いやすいかというと、そこには疑問も残る。

 サービス面で弱いと感じたのが、銀行チャージの方法だ。登録できるのはKDDI傘下のじぶん銀行だけで、地方銀行やネット銀行はもちろん、都市銀行も全て非対応になる。現金代わりに日々の決済に使おうと思ったとき、普段使っている銀行が対応していないのはネックになる。

au PAY キャリア決済が使えるのはメリットだが、対応銀行がじぶん銀行のみ。他キャリアに広げる際に、ネックになるかもしれない

 もちろん、現金を持ってauショップやコンビニエンスストアに行ったり、新たに対応するセブン銀行のATMを使ったりする手はあるものの、オンラインで直接、銀行口座からチャージできた方が便利なことは間違いない。LINE PayやPayPayといった競合サービスと比べても、この点は見劣りする。この点を指摘された中井氏は「銀行に関してはいろいろとお話をし、検討しているが、いつ開始しますとは申し上げられない」と語っていたが、オープン化までには、何らかの対応をする必要がありそうだ。

au PAY 新たにセブン銀行のATMでチャージできるようになるが、こうした取り組みを拡大していく必要がありそうだ

 また、送金機能も、利用にはじぶん銀行の口座が必要でハードルが高い。送金可能な残高も、現金やじぶん銀行からチャージした分に制限されている。LINE PayではLINEの友だちに残高を簡単に送ることができ、PayPayもIDでの送金に対応した。コミュニケーションと決済を融合できるのがスマホ決済の魅力の1つで、ネットワーク効果も働き、ユーザーが広がりやすくなる。通信でコミュニケーションを提供してきた企業の決済サービスなだけに、機能をブラッシュアップしてほしいと感じた。

 ポイントを付与する機会をどう増やしていくのかも、au以外のユーザーに広げるうえでの鍵になりそうだ。ドコモのdポイントや楽天の楽天スーパーポイントは共通ポイントとして、加盟店で支払いをするだけで付与されるのに対し、auのau WALLETポイントは自社に閉じているため、auでんきやWowma!をはじめとするauのサービスを使っていないと、どうしてもたまりにくくなる。オープン化にあたっては、こうした課題が解決されることを期待したい。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月11日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  3. ドコモの通信障害に“AIエージェント”が先手 「SNSの投稿」も常時監視するオペレーションセンターの裏側 (2026年06月10日)
  4. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  5. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  6. 「Pokemon GO Fest 2026:東京」のモバイル通信は快適だった? 初対策の楽天モバイルがピーク時に“最速”も記録 (2026年06月10日)
  7. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  8. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  9. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  10. 「iPadOS 27」発表 Siri AI対応で生産性が向上、スクショから調べ物も可能に (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー