キャリアの在庫端末処分には「総務省へのお伺い」が必要――日本のスマホ市場に自由競争は存在するのか:石川温のスマホ業界新聞

» 2019年05月31日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 6月1日の新料金プラン開始に向けて、NTTドコモは5月22日から予約を開始した。それに伴い、毎月の支払いをシミュレーションできる「しっかり料金シミュレーション」というサイトがオープンしている。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2019年5月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 すでにケータイWatch「みんなのケータイ」で試した様子をレポートしたが、これが意外としっかりしたシミュレーターになっており、NTTドコモユーザーは是非とも一度試した方がいいと思える代物に仕上がっている。

 新料金プランは「月々サポートが切れたら移行」というのが鉄則だが、まさに「月々サポートがあるから現行プランの方がいい」とか「この回線は月々サポートが2020年6月に切れる」といった案内までしてくれるのが親切なのだ。

 そんななか、これまで料金や販売方法など、いろいろと取材をしているが、なかでも驚いたエピソードが「在庫処分」にまつわる話だ。スマホの在庫処分に関しては、割引を大量に適用して売りさばくため、どうしても「一括ゼロ円」に近いような売り方になってしまう。結果として「新規契約を稼ぐための目玉商品」のように見えてしまう感がある。

 今回、分離プランの導入など、電気通信事業法が改正されるが、「端末に対する割引はいくらまでが望ましいか」といった議論も今後、総務省で行われる見込みだ。

 ただ、ちょっと驚いたのが、現状、キャリアが端末を在庫処分するために割引で販売する際には、予め、総務省にお伺いをいけないことになっているのだという。

 在庫のあまり具合を説明し、「だから割引で売りたい」というのを説明する必要があるのだという。

 「キャリアがスマホを割引で売るのに総務省に確認が必要」という事実に耳を疑った。なぜ、民間企業の販売施策に対して、総務省がそこまで口出しをする必要があるのか。

 過剰な端末割引を抑制するためのようだが、総務省の管理下に置かれた割引施策など、もはや競争でもないのではないだろうか。

 KDDIの高橋誠社長もケータイWatchのインタビューで「総務省は口出ししすぎではないだろうか」と苦言を呈していたが、まさにここまで口出ししているとは思わなかった。

 今回の電気通信事業法改正で、「販売店を届け制にする」という項目があるが、まさに何でもかんでも口出しして管理したいという総務省の自己顕示欲むき出しな法改正と言えるだろう。

 はたして、ここまで総務省がやりたいようにやった結果、消費者に幸せなスマホライフは訪れるのか。今回の法改正が失敗したら、あらゆるところに口出ししてきた総務省にはきちんと反省してもらいたいものだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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