―― 音響について工夫したところはありますでしょうか?
染谷氏 Xperia 1は「Dolby Atmos」に対応していますが、ソニー・ピクチャーズの音響部門のメンバーと音をチューニングして、最高のサウンドを追求しました。
―― 今回もイヤフォンジャックがありません
染谷氏 2018年の春モデルからプレミアムモデルを中心にイヤフォンジャックを廃止しています。世の中のトレンドとして、ワイヤレス接続をする機器が多くなっています。デザインのフレキシビリティーも加味した上で、イヤフォンジャックを廃止する判断をしています。
―― 厚みにも影響するのでしょうか?
染谷氏 そうですね。端子を入れることによって、そのパーツ周辺の補強なども必要ですし、全てのレイアウトに影響します。
―― Xperia 1はなぜワイヤレス充電に非対応なのでしょうか?
染谷氏 ワイヤレス充電に関しては苦渋の選択でした。2018年のXZ3で採用したのは「お客さまが必要としているから」というのはもちろんのこと、ワイヤレス充電の規格が統一されてきていることが理由でした。Xperia 1では、フラットなデザインや、薄さなどを議論していく中で、最終的に非搭載という決断をしました。
ワイヤレス充電に対する反響が良くないなど、外部の影響によるものではありません。もちろんワイヤレス充電やイヤフォンジャックも重要だと考えており、どの機能をどの端末に実装するのかは、お客さまが「何をお求めなのか」、弊社がお客さまに対して「何を提供したいのか」などを加味した上で、引き続き検討していきます。
―― ストレージ容量を、海外モデルの128GBから64GBに減らした理由を教えてください。
染谷氏 海外と国内でストレージが異なるのは、そのエリアにおいてパートナー様との議論や価格などの要素を加味した上で判断しています。先ほどのカラーの話と同じく、内蔵ストレージについても、各パートナー様と相談しながら判断していきます。
Xperia 1は、4K有機というよりも「21:9」という画面比率のインパクトが大きい。一見すると、単純に画面を引き延ばしただけという印象もあるが、実際に話を聞くと、コンテンツ次第ではいろいろな可能性を秘めているように思えた。
また、単に画面サイズを大型化するのではなく、画面比率を工夫したことで、握りやすさはもちろんのこと、画面分割のしやすさまでを実現している。
Xperiaの次期モデルで4K有機ELが実装されることは予想していたが、比率とUI(ユーザーインタフェース)を工夫してきたのは、良い意味で期待を裏切られた。Xperia 1は、ソニーが提案したいクリエイティブ要素とユーザーニーズのバランスが取れたモデルといえる。
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