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» 2019年09月27日 11時00分 公開

5分で知るモバイルデータ通信活用術:「ニーズが無い」から6年 中古端末のSIMロック解除で思うこと (1/3)

中古端末に対するSIMロック解除制限が、事実上撤廃されました。一見すると良いことばかりに見えますが、まだ課題が見え隠れしています。

[島田純,ITmedia]

 総務省の「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」にある、携帯電話端末の「SIMロック」に関するガイドラインの改定が9月1日付で発効しました。

 これにより、SIMロックを伴う端末を販売する携帯電話事業者(キャリア:MVNO含む)は、中古端末や他者から譲ってもらった端末についても原則としてSIMロックの解除に応じる義務を負いました。

 今回の5分で知るモバイルデータ通信活用術は、そんなSIMロック解除に関する話題をお届けします。

条件変更 5月に改定された「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」における変更内容の概要。9月1日、SIMロックに関する改定内容が発効した(総務省公開資料より:PDFファイル)

ガイドライン改定直前に対応したソフトバンクとau

 今回のSIMロック解除要件の緩和については、2018年6月6日に改定案が提示され、同年8月28日に成立しています。今年(2019年)の9月1日と発効まで約1年の期間を置いたのは、携帯電話事業者におけるシステム面での準備期間が必要だったからです。

 言い換えれば、今年の9月1日までに準備をすれば間に合うということだったのですが、それに先んじる形で、NTTドコモは2019年2月20日からガイドラインに準拠する形で要件緩和を実施しました。ある意味で、約半年の「フライング」対応です。

 それに対して、au(KDDIと沖縄セルラー電話)やソフトバンクは「フライング」することなく、ソフトバンクは8月21日、auは9月1日に要件を緩和しました。特にauは改定日に対応する「ギリギリ」ぶりです。

 SIMロック要件の緩和は、3キャリアともに2015年5月以降に発売された機種(※1)が対象で、既に販売済みの端末も含みます。iPhoneでいうと「iPhone 6s」「iPhone 6s Plus」の世代以降が対象となります。

※1 auは2015年4月23日以降に発売された機種が対象

iPhone 6s以降が対象 iPhoneならiPhone 6s以降の世代が対象(画像はソフトバンクのSIMロック解除対象機種)

 SIMロック解除の義務化は、「汎用(はんよう)的に通話やデータ通信を行うための端末」、具体的にはスマートフォン、タブレット、モバイルルーターやデータ通信専用端末が対象です。

 従来のルールでは、端末購入時にひも付けた回線が解約された場合、解約日から90日以内に元契約者(元の購入者)本人がSIMロック解除手続を行う必要がありました。つまり、解約日から90日を超過するとSIMロックを解除する方法が一切ない状況だったのです。

 今回のガイドライン改定により、解約後も日数制限なく、元契約者でなくてもSIMロックを解除できるようになりました。これはとてもありがたいことです。

ニュースリリース NTTドコモが2月15日に出したニュースリリース。他社に先駆けてガイドライン改定に対応した

 一方で、「技術的にSIMロック解除が困難な端末」や「特定の事業者の通信方式・周波数のみに対応している端末」については義務化の対象外です。これはガイドラインの改定後も変わりません。

 例えば、ソフトバンクのSIMロック解除対象機種を見ると、「SoftBank Air」のルーター群が含まれていません。これは「特定の事業者の通信方式・周波数のみに対応している端末」に当てはまることが理由だと思われます。

SoftBank Air SoftBank Air用の「Airターミナル」は、SIMロック解除の対象外
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