クリエイター向けの特別モデル「Xperia 1 Professional Edition」登場 SIMフリーで14万3000円(税別)

» 2019年10月23日 14時02分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソニーが10月23日、スマートフォン「Xperia 1」をクリエイター向けにカスタマイズした特別仕様のモデル「Xperia 1 Professional Edition」を発表。オンラインのソニーストアと、直営店ソニーストアの銀座、札幌、名古屋、大阪、福岡天神にて取り扱う。23日に予約を開始し、25日に発売する。価格は14万3000円(税別)で、分割での購入も可能。カラーはブラック1色。販売はソニーマーケティングが担当し、法人窓口も設ける。

Xperia 1 Professional Edition クリエイター向けの特別仕様モデル「Xperia 1 Professional Edition」
Xperia 1 Professional Edition ホーム画面は初期状態から横向きに回転するようになっている

 Xperia 1と同じく、21:9のアスペクト比の約6.5型有機ELディスプレイを搭載しているが、Xperia 1 Professional Editionでは出荷時に、測定器で1台ずつ画質調整を行っているのが大きな特徴。ITU-R BT.2020色域に対応させ、10ビットカラー相当の階調表現、D65ホワイトポイントを実現できるよう、ソニーのマスターモニター(映像制作の基準機として使われているモニター)を基準とした色温度に調整した。Xperia 1でも同様の画質は目指しているが、画質の個体差がなくなるよう、色温度の基準を絞り込んだのが大きな違いだ。

Xperia 1 Professional Edition
Xperia 1 Professional Edition 画質の「クリエイターモード」で、より個体差が出ないよう調整した
Xperia 1 Professional Edition 測定器を用いて色温度を調整した

 Xperia 1は国際放送機器展「2019 NBA Show」にて、映像制作用カメラのサブモニターや、小型HDRモニターのマスターモニターとして活躍。そこでクリエイターからポジティブな意見を得られたのと同時に、映像制作者の意図をより忠実に反映させたいという要望があったことから、1台ずつ画質調整を行ったという。ソニーは映像制作現場でのモバイルモニターとして使用することを想定している。

Xperia 1 Professional Edition 映像制作現場でサブモニターとしての利用を想定している

 報道機関のフォトグラファー向けには、スマートフォンで撮影した写真をスムーズに納品、転送できるよう「Transfer & Tagging add-on」アプリを用意。

 従来のTransfer & Tagging add-onは、ソニーのデジタル一眼カメラ「α」で撮影した写真に、IPTCメタデータ(報道機関が利用する、画像データに含まれるメタデータの標準規格)のタグを付加し、スマートフォンを介してFTPサーバにアップロードする形だった。しかし今回は、Xperia 1 Professional Editionで撮影した写真に、スマホから直接IPTCタグを付けられるようになった。これにより、納品までのステップを減らせ、よりスピーディーな報道が期待される。

 ただしTransfer & Tagging add-onを利用して撮影する際は、先読み撮影、背景ボカシ、連写は利用できなくなる。

Xperia 1 Professional Edition カメラアプリであらかじめ「Transfer & Tagging add-on」をオンにしておくと、撮影後にIPTCのタグ付けが可能になる
Xperia 1 Professional Edition 音声でのタグ付けにも対応。撮影して即納品が求められる現場で重宝しそうだ

 ソニーのカメラで撮影した写真や動画を、スマートフォンにワンタッチで転送できる「Imaging Edge Mobile」アプリも用意。カメラで撮影した写真を即SNSにアップするのに役立つ。動画は4Kまでの転送にも対応する。カメラのモニターをスマホで確認しながら、リモートで設定変更したり撮影したりもできる。カメラの電源がオフの状態でも、スマホ側からカメラ内のデータを閲覧することもできる。

 Transfer & Tagging add-onとImaging Edge Mobileは、10月末以降のソフトウェアアップデートで利用可能になる。

Xperia 1 Professional Edition カメラで撮影したデータをスマホに転送できる「Imaging Edge Mobile」。カメラがカバンの中にある状態でも転送が可能

 モバイルeスポーツなどのイベントで、会場の混雑した通信環境を避けて安定した通信ができるよう、USB Type-C経由での有線LAN接続も可能になった。なお変換ケーブルは別売りとなる。

Xperia 1 Professional Edition 有線LAN通信にも対応

 その他、従来のXperia 1との差分としては、FeliCaとワンセグ/フルセグには対応しないが、SIMスロットがデュアルSIMに対応し、ストレージは64GBではなく128GBとなる。なお、microSDとnanoSIMの1枚は排他使用となる。

 横向きで試用するシーンが増えることを想定し、ホーム画面は横UIローテーションが初期状態でオンになる。Xperia 1でもホーム画面も横表示は可能だが、Xperia 1 Professional Editionでは壁紙も含めて横向きに回転するようになる。Xperia 1 Professional Editionは画質設定の「クリエイターモード」が初期からオンになり、側面を触れてショートカットを呼び出す「サイドセンス」や、ゲームや映像の音に合わせて端末が振動する「ダイナミックバイブレーション」は初期オフとなっている。

Xperia 1 Professional Edition Xperia 1とXperia 1 Professional Editionの違い

 プロセッサはSnapdragon 855、メインメモリは6GBを搭載。IP68の防水・防塵(じん)もサポートする。21:9のアスペクト比を生かしたマルチウィンドウや、背面の広角+超広角+望遠のレンズを用いたカメラ撮影も、Xperia 1と同様に利用できる。

 販路はソニーストア限定で、他に広げる予定は現時点ではない。Xperia 1から価格が3〜4万円高額なのは、画質を個別に調整したこと、Transfer & Tagging add-onアプリを本機用にカスタマイズしたところが大きく影響しているという。

 Xperia 1 Professional Editionの取り組み自体は日本でのみ展開しており、海外で展開する予定も現時点ではない。

Xperia 1 Professional Edition
Xperia 1 Professional Edition
Xperia 1 Professional Edition Xperia 1 Professional Editionの実機
Xperia 1 Professional Edition 上がXperia 1 Professional Edition、下がXperia 1。Xperia 1 Professional Editionは壁紙ごと横回転できる
Xperia 1 Professional Edition 左がXperia 1、右がXperia 1 Professional Edition
Xperia 1 Professional Edition
Xperia 1 Professional Edition デュアルSIMの設定画面

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