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» 2019年09月09日 09時25分 公開

石野純也のMobile Eye:Xperiaは「好きを極める」製品に ソニーモバイル岸田社長に聞く“反転攻勢”の道筋 (1/3)

ソニーモバイルは「Xperia 1」でラインアップを一新し、IFA2019ではよりコンパクトな「Xperia 5」を発表した。同社がラインアップを一新した背景には、Xperiaが各国の市場で苦戦している現状がある。今後のXperiaはどうなるのか? 岸田光哉社長に聞いた。

[石野純也,ITmedia]

 9月6日から11日に渡って、ドイツ・ベルリンで開催中のIFA2019に合わせ、ソニーモバイルは高機能コンパクトモデルの「Xperia 5」を発表した。既報の通り、Xperia 5は、フラグシップモデルの「Xperia 1」とほぼ同等の性能を持ちながら、ディスプレイサイズを6.1型に小型化した1台。ディスプレイがコンパクトになった結果、横幅も68mmになり、手に取ったときのフィット感が大きく向上した。

Xperia ソニーモバイルはIFA2019で「Xperia 5」を発表。ソニーのエレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション事業担当、石塚茂樹専務が端末を披露した
Xperia Xperia 1からスペックは大きく落とさず、手にフィットするサイズ感を実現した「Xperia 5」

 ソニーモバイルは、Xperia 1でブランドを刷新。Xperiaのペットネームの後ろに1から10の番号をつける形に改めた。この数字は端末の世代ではなく、グレードを指す。2月のスペイン・バルセロナで発表されたのはフラグシップモデルのXperia 1と、ミドルレンジモデルの「Xperia 10」。IFAで披露されたXperia 5は、その間を埋める端末になる。

Xperia 2019年からのXperiaは、原則として1から10の数字でグレードを表すようになった

1年半で商品コンセプトからオペレーションまでを徹底的に見直す

 同社がラインアップを一新した背景には、Xperiaが各国の市場で苦戦している現状がある。その影響は、ソニーモバイルのお膝元の日本市場でも徐々に表れ、Androidスマートフォンでシェア1位の座もシャープに奪われてしまった。苦境に立たされたソニーモバイルは、経営陣や開発体制を一新。ソニー・エリクソンの立ち上げにも関わった岸田光哉氏を社長に据えた。その岸田体制の下で生まれたのが、新シリーズのXperiaだ。

Xperia インタビューに応じたソニーモバイルの岸田社長

 岸田氏がソニーモバイルの社長に就任したのは、2018年4月のこと。「あのときは、何にまず手を付けたらいいのか、どこから改革を進めたらいいのかを考え始めていた」と就任直後の状況を振り返る。

 「体制作りと同時に、自分たちが何を中心に据え、何のために存在するのかを見つけて共有することなしには、先に進めませんでした。コーポレートビジョンも、これまでは何が書いてあるのかも分からなかった。会社名を変えても通じるようなものは捨てようということで、マネジャー全員で合宿したり、飲んだり、時には温泉に行ったりしながら(笑)、議論しました。そこで行き着いたのが、Xperiaは想像を超えるエクスペリエンス(体験)をお届けするということです」

 こうして生まれたのが、Xperia 1の発表と同時に導入された「好きを極めたい人々に、想像を超えたエクスペリエンスを」というスローガンだった。新シリーズのXperiaは、この掛け声のもと、他社にない、ソニーモバイルならではの機能をふんだんに盛り込んでいる。岸田氏によると、このスローガンには当初、より“過激”なフレーズが盛り込まれていたという。

Xperia まずは共有すべきビジョンが必要だった。考え出されたのが、「好きを極めたい人々のために、想像を超えたエクスペリエンスを」というスローガン

 「実は対外向けに、デリート(削除)した2行があります。1つは、『万人受けと決別する』ということ。もう1つが『好きを極めるためには昨日を捨ててもいい』ということです。決めたときは、ちょっと言葉が強すぎて、今までのXperiaを好きだった人を否定してするように聞こえてしまうので、削除しました。ただ、それも含めて、僕らがやるべきことは万人受けではない。ソニーにしかできないものを作り、ソニーにしかできないオペレーションで出すというところに行き着きました」

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