Xperiaは「好きを極める」製品に ソニーモバイル岸田社長に聞く“反転攻勢”の道筋石野純也のMobile Eye(3/3 ページ)

» 2019年09月09日 09時25分 公開
[石野純也ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

オペレーションも大きく見直し、反転攻勢を目指すソニーモバイル

 岸田氏が就任以降、大きく見直したのは端末のラインアップだけではない。むしろ、「昨年1年間、かなりの時間を使った」というのが、オペレーションの見直しを含む構造改革だ。「まだ完全に終わったわけではないが、公表したように、2020年にオペレーションコストを半減するという活動は、今年度をめどに、完全に終了する予定」。

 岸田氏によると、構造改革は「予想以上のスピードで進んでいる」という。構造改革に終わりが見えたことで、「内部の会話がよりよいものになっている。ソニーらしい5Gとは何か、ソニーらしい商品やアプリケーションで何を目指すのかといった会話に変わってきた」

Xperia 商品戦略だけでなく、オペレーションも大きく見直したと語る岸田氏

 商品を変え、オペレーションを見直した結果は、第1四半期の決算にも表れているという。岸田氏によると、「大きな変化は、Xperia 1を導入した第1四半期に、このセグメントが黒字だったこと」だという。

 「報道では、どちらかと言うと年間の販売台数予想を400万台に下げたことが取り上げられてしまったため、われわれの進化を感じられないかもしれません。ただ、実際には、100万台(年間の販売台数予想を)減らしたのは、ローエンドの機種群や昨年から持っていた在庫分で、その意味では一からリスタートできました。Xperia 1のようなものを出せたおかげで、その四半期が黒字になったのは、本当に手応えがありました」

 新しいXperiaは、販売台数も慎重に見積もっているという。実際、「色や販路、国や地域によっては、足りていない時期もあった」という。「多くを求め過ぎず、まずは復活することを主眼に生き抜こうとしている」という考えがあるからだ。

Xperia 第1四半期では、販売台数の予想を下方修正した一方で黒字化を達成。これも、Xperia 1を投入した効果だという

 ただ、年間の出荷台数は、これ以上落とせないところまで減ってしまった。調達量が減れば、コスト増にもつながりかねない。「小さなボリュームになり、そこからどこに行くのかは、まさに今プランを作っているところ」だという。ただし、「1億台、2億台という目線ではなく、本当にユニークなプレイヤーとして5Gも含めて開発していく」といい、数ではなく、質で勝負していく方針。この戦略は、テレビやカメラなど、他のソニー製品にも共通したものだ。

 海外では、構造改革の結果として、欧州ではソニーと販路を統合。撤退してしまったアジアの一部でも、ソニーの販路を使って復活を果たしている。タイ、マレーシア、シンガポール、ベトナムでは、直営店のソニーストアでXperiaの販売を再開しているという。岸田氏は、「ソニーと販売を一体化させ、それぞれの地域に帰っていくことを、1つ1つ丁寧にやっていきたい」と語る。

 一方の日本では、10月1日から改正・電気通信事業法が施行され、端末の割引が大きく制限される。これによって、ハイエンドモデルの売れ行きに大きくブレーキがかかるとの見方が強く、ソニーモバイルにとっても正念場といえる。岸田氏は市場の変化には柔軟に対応していく構えだ。

 「私が目指すのは、ソニーが好きでXperiaが好きというお客さまを増やしていき、そこに最適な商品をお届けすることです。ミドルレンジだからやらないということは、考えていません。ハイエンドからスタートし、目指すべき旗は立てるべきだと思いますが、同時に(Xperiaを)使うのが楽しい、(Xperiaの)使い勝手が好きというお客さまもいます。その方の好きな商品がたまたまミドルレンジなのであれば、それを出していくべきだと思っています」

Xperia ミドルレンジにも注力していく構え。ドコモから発売された「Xperia Ace」も販売は好調だという

 ミドルレンジでは、既に楽天モバイルがSIMロックフリーの「Xperia Ace」を導入することを明かしているが、岸田氏の言葉を聞く限り、今後の展開にも期待が持てそうだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年01月06日 更新
  1. 新感覚の折りたたみ「HUAWEI Pura X」レビュー 開くとまるで“ファブレット”のサイズ感、動画も大画面で楽しめる (2026年01月04日)
  2. 筆者が「楽天モバイル+日本通信+povo2.0」を併用しているワケ あえて複数回線を契約してお得に運用 (2026年01月03日)
  3. 令和7年の確定申告は「iPhoneのマイナンバーカード」にも対応 事前準備の方法を解説 (2026年01月05日)
  4. ドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天が2026年年頭所感を発表 「AI」「経済圏」での競争が軸に? (2026年01月05日)
  5. 「iPad mini(A17 Pro)」128GBモデル(整備済品)が28%オフの7万5810円に:Amazon スマイルSALE (2026年01月05日)
  6. 鉄道駅における「時刻表掲示」が減っている件 仕方ない面もあるからこそ工夫が必要 (2026年01月03日)
  7. アクションカメラ「DJI Osmo Action 4」がセールで2.9万円に 旧モデルでも実力は衰えない (2026年01月05日)
  8. メモリ価格の高騰はスマホにも影響あり? スマホを買うべきタイミングはいつか (2026年01月01日)
  9. 飛行機の機内モニターをワイヤレス化できる画面付き完全ワイヤレスイヤフォン「JBL TOUR PRO 3」がセールで2.7万円に (2026年01月05日)
  10. なぜ今、小型スマホなのか? 5.3型「Mode1 Pocket」誕生の舞台裏 あえて本体を厚く、5G非対応にしたワケ (2025年12月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年