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» 2019年11月27日 15時04分 公開

クレカ不要の「NP後払い」、アップデートで即時与信に対応 AIやビッグデータ活用

ネットプロテクションズは11月27日、後払い決済サービス「NP後払い」のシステムアップデートを実施した。ビッグデータやAIを活用することで、従来の与信ポリシーや与信通過率を維持したまま、即時与信に対応。与信通過率を向上させる施策も導入する。

[田中聡,ITmedia]

 ネットプロテクションズは11月27日、後払い決済サービス「NP後払い」のシステムアップデートを実施した。

 NP後払いは、ECサイトで利用できるサービス。商品の購入後に届く請求書をコンビニや郵便局、銀行、LINE Payなどで支払えばよいので、クレジットカードを使わずに買い物できるのがメリットだ。現在は4万1500社の企業が導入している。

NP後払い ネットプロテクションズが提供している「NP後払い」

 後払いを利用するには与信審査を通る必要があり、いかに正確に審査できるかが重要。今回のアップデートはこの与信審査の精度を高め、かつ後払いの利便性を向上させるのが狙いだ。

NP後払い ネットプロテクションズCEOの柴田紳氏(左)とCTOの鈴木史朗氏(右)

 アップデートにより、「1.即時与信の実装」「2.請求や支払いの個別最適化」「3.与信通過率の向上」「4.システムの無停止化」が可能になる。

 1については、同社がサービス開始時から18年にわたり蓄積してきたビッグデータを活用することで、従来の与信ポリシーや与信通過率を維持したまま、システム処理のみで与信判断が可能になった。AI機能を強化し、ディープラーニングを含む機械学習技術を導入しているのも特徴だ。

NP後払い 機械学習とデータ連携、活用しやすいアーキテクチャを採用

 即時与信が可能になることで、加盟店側はスピーディーな出荷が可能になる、決済NGだった場合にユーザーに連絡する手間を減らせる、購買意欲が高いタイミングでOKを出せることで購買離脱を減らせる――といったメリットも生まれる。

NP後払い 店鋪にとっても、即時与信のメリットは大きい

 2については、これまでは全ての取引に対して一元的な支払いと請求のフローを採用していたが、今後は支払いの期限や手段など、ユーザーごとに最適化した形での対応が可能になる。こちらは2020年度以降に順次導入する予定だ。

NP後払い 取引ごとに最適化された請求フローを採用

 3については、これまでは決済NGにしていた取引の中でOKにできるものを増やせるようになるという。これはネットプロテクションズ側で取引データを分析して、不正利用以外でNG判断していた取引を見いだす施策や、請求と支払いの個別最適化の中で支払いを促しやすい対話をする施策が効いている。また加盟店との協力により、利用の多いロイヤルカスタマーの情報を得ることでも、与信通過率が向上するという。

NP後払い これまでNGだった取引をOKにできるようになり、与信通過率が向上した

 4については、AWSにサーバを移行することで、処理限界によるイレギュラーな停止や遅延を抑えられるようになる。また各種のサービスを独立して稼働させる「マイクロサービス」化を図ることで、仮に処理限界に至っても、一部機能の停止にとどめられるという。この改善により、システムの稼働率99.99%を目指す。

NP後払い AWSとマイクロサービス化により、稼働率99.99%のシステムを目指す
NP後払い アップデートの概要

 キャッシュレス決済の後払いは、2014年に「paidy」、2016年にZOZOTOWNの「ツケ払い」、2018年にメルカリの「メルペイ」が始まり、今後も市場規模は拡大していくことが見込まれる。

 その中でも、NP後払いは2002年に始まった、いわば老舗のサービスだ。NP後払いでは2018年度に2500億円の取引実績があり、年間のユニークユーザーは1350万人に上る。年齢層は20代〜50代で幅広く、クレジットカードの保有率は70%。よく使うお店ではクレジットカードを使い、初めてのお店は後払いで――という人も多いようだ。

NP後払い NP後払いの実績

 一方で、なりすましなどで後払いを悪用して代金を支払わない不正利用、店舗側が後払いで購入を促して不当な契約をさせる不当販売も起きている。ネットプロテクションズはこうした課題の解決を目指し、ユーザーと加盟店双方にとって利便性の高い、かつ安心できる後払い決済を提供していく。

NP後払い 後払い決済の課題とネットプロテクションズの役割

 ちなみに、ネットプロテクションズは同じく後払いサービスとして、ECサイトと実店舗(コード決済)で使える「atone」というサービスも提供している。こちらは会員登録制なので、あらかじめ個人情報を登録し、決済時に電話番号とパスワードを使うことで即時与信を可能としている。今後はatoneをはじめとする、同社の他サービスともデータ連携し、NP後払いの技術を横展開することも視野に入れている。

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