店舗を変えるモバイル決済
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» 2019年12月04日 06時00分 公開

モバイル決済で店舗改革:花屋とキャッシュレス決済の相性は? 「Airペイ」を導入したメゾン フルーリに聞く (1/2)

増税に伴い、軽減税率やキャッシュレス・消費者還元事業といった施策も行われているが、特に軽減税率は基本的に飲食料品(と新聞)を対象としているため、軽減税率の影響がない店舗は多い。今回は、東京都の二子玉川に店を構える花屋「メゾン フルーリ」に、キャッシュレス対応による変化を聞いた。

[小山安博,ITmedia]

 消費税が8%から10%に増税され、軽減税率やキャッシュレス・消費者還元事業といった施策も行われているが、特に軽減税率は基本的に飲食料品(と新聞)を対象としているため、軽減税率の影響がない店舗は多い。

 そんな中で、現金仕入れが主流のためにキャッシュレス化が難しかったという花屋「メゾン フルーリ(Maison Fleurie)」代表取締役の佐々木久満氏に、リクルートライフスタイルのモバイルPOSレジ「Airレジ」と、キャッシュレスサービス「Airペイ」の導入で変わったことを聞いた。

メゾン フルーリ 東京の二子玉川にお店を構える「メゾン フルーリ」

増税を機にキャッシュレス決済を導入

メゾン フルーリ お話を聞いた佐々木久満氏

 メゾン フルーリは、東京・世田谷区にある二子玉川駅から徒歩5分ほどの閑静なエリアにある生花店。色とりどりの花を販売する他、ワークショップなども開催して、地元に親しまれている店舗だ。同店がAirレジを導入したのは3〜4年前のこと。当初はカード決済を導入したが、同店のような小規模の花屋の仕入れは基本的に現金であり、売り上げの入金タイミングによってキャッシュフローに影響が出てしまうことがあり、いったん停止した。

 それでもAirレジを継続したのは、クラウド会計ソフトとの連携機能があったからだという。Airレジがないと、日々の集計結果を帳簿から会計ソフトに転記する手間がある。「これを税理士や会計士にお願いすると、それだけでその日の売り上げが飛んでしまう」と佐々木氏。

 Airレジとクラウド会計ソフトの組み合わせであれば、現金決済でもレジに入力した結果はそのまま会計ソフトに連動するため、日々の処理が簡単になる。こうした小規模の商売では省力化が必要と佐々木氏は指摘。そのためにAirレジを導入したそうだ。

 現金での決済を続けてきた同店だが、増税を機に改めてキャッシュレス決済導入の検討を開始。佐々木氏が同業者に確認してみたところ、昨今は入金タイミングが月に数回というサービスも増え、それほどキャッシュフローの問題が起きないという話だったそうだ。そうした背景から、キャッシュレス決済としてAirペイの導入を決めた。利用できるのはクレジットカードと非接触決済、コード決済だ。

 タイミングとしてキャッシュレス・消費者還元事業の登録も同時に発生したが、そうした登録も全て、リクルートライフスタイルが対応してくれたという。同店は長野県にも2店舗を構えているが、こちらも同時に導入することで、その店舗での登録も対応してくれたそうだ。「あっという間に導入と登録が済んだ」と佐々木氏。

メゾン フルーリ 店頭には利用できるキャッシュレス決済のステッカーが貼られている

キャッシュレス対応で高価な贈答品が売れ、7〜8%の売上増に

 キャッシュレス決済を導入したことで、メゾン フルーリは何が変わったのだろうか。実は佐々木氏自身、当初はキャッシュレス決済に懐疑的だったという。もともと現金決済を長く続けてきて、周囲の花屋も現金払いが多い。そうした中でクレジットカードなどに対応した結果、「意外とカードで払いたい人がいる」というのが分かったそうだ。

 二子玉川近辺で、クレジットカードを使って花を買いたい場合、多くの人は「駅前の大手の店舗に行く」(佐々木氏)。ただ、そうした大手の店舗は支払いで並んでいたり、画一的な商品しか置いていなかったりすることが多い、と佐々木氏は指摘する。

 こうした大手店舗では、営業で出歩く人が飛び込みで客の元に届ける花を注文する、といった例もあるそう。必然的に客単価が高くなり、カードでの支払いを求める人が多くなる。ホームユースだと客単価は1800〜2000円だったが、キャッシュレス決済に対応してから、1万円のスタンドや3万円の胡蝶蘭といった高額商品の動きがよくなった。「割合的にそうしたことは多くはないが、従来はなかったお客さまに対応できるようになった」(佐々木氏)という。

 メゾン フルーリの客層はホームユースが中心だったが、キャッシュレス決済対応によって、ビジネスユースで5000円〜1万円の贈答品を購入する人が増えたそうだ。高額商品が増えたことによる売り上げの伸びは「7〜8%ぐらい」(佐々木氏)だというが、これまで取り逃していた潜在顧客をキャッシュレス決済で獲得できるようになったことを、佐々木氏はメリットに挙げる。

 それに加えて、ホームユースでも帰宅途中に花を買い求める人など、交通系電子マネーを使って購入する人も増えた。客単価が高いものではカード払いが増え、キャッシュレス決済を求めている人がいたことが分かり、キャッシュレス決済導入のメリットを感じているという。

 佐々木氏は、小規模な花屋という業態の関係上、天気や季節などで1日の売り上げの変動が大きいと話し、そこに7〜8%の売り上げ増につながるのは「素直にうれしい」と、その効果を強調する。

 また、客単価よりも同じ顧客の来店頻度への影響を感じているという。実際、来店者数の延べ人数が増加し、前年同月比で売り上げの20万円、15%ほどの増加につながったそうだ。

 普段開催しているアレンジメントレッスンのようなワークショップの支払いをカード対応した店も喜ばれているそうだ。キャッシュレス決済の場合、消費者還元事業によって5%の還元もあるが、それによってキャッシュレス決済が増えたという感覚はないという。ただ、売り上げ自体には効果があったそうだ。

メゾン フルーリ レジ前には、5%の還元を目立つように案内
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