NTTドコモは、12月30日と31日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるコミックマーケット107に向け、通信品質向上のための対策を実施した。開催初日の30日、一部の報道関係者を招き、具体的な対策内容を明らかにした。
「コミックマーケット」(以下、コミケ)は、世界最大規模の同人誌即売会であり、1975年以降、東京ビッグサイトを主な会場として夏と冬の年2回開催されている。そのため、「夏コミ」「冬コミ」と呼称されることも多い。
コミケをはじめとする集客イベントでは、トラフィックの輻輳(ふくそう)により、体感的につながりづらくなる。輻輳とは、さまざまな物が1カ所に集まることや、混み合うことを指す言葉だ。 通信業界では、大勢の人が同じ場所で同時に回線を利用することなどを理由に、トラフィックが増えてネットワークが混雑し、結果としてつながりづらくなる。
来場者で大混雑が予想されるコミケでは、通信品質の低下が懸念されるが、ドコモは今回どのように対策を講じたのだろうか。首都圏支社 ネットワーク部 主査 古橋彬氏が説明した。
ドコモは過去の苦い経験を糧に、今回の対策を構築した。古橋氏は、現場を見渡しながら「あそこ(石と光の広場の端から西待機列の端にかけて)が一番人がたまる場所で、収まりきらない人々がこちら側に並んでいく。コミケかいわいではテトリスと呼んでいるそうだが、どんどん人を詰めていく形になる」と現場の状況を分析し、「2023年の夏コミでは5Gの整備がだいぶ遅れ、SNSでも顧客から厳しい意見をもらった。そこで段階的に整備を進め、2024年度には全面的な5G化とSA化を完了させた」と、これまでの歩みと課題感を振り返った。
今回の対策の目玉となるのが「5G SA(Standalone)」の全面的なアピールだ。従来の「5G NSA(Non-Standalone)」は4Gをベースとして付随的に5Gを使うため、4Gが混雑すると5Gも生かせない。古橋氏は「5G SAは5G単独で完結するネットワークであり、4Gがいくら混んでも影響を受けない。ハイスループットな通信を利用できるメリットがあるため、コミケこそSAを使ってほしい」と熱く語った。
従来の5Gは4G設備を流用するNSA方式が主流だ。迅速なエリア拡大が可能だが、超低遅延や超多数接続といった5G本来の性能を十分発揮できない課題がある。対してSA方式は、5G専用のコア設備を用いる独立した形式だ。これにより、5Gの強みである低遅延や多数同時接続を最大限に活用でき、真の5G性能を実現できる
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