今回の通信対策において、最も困難を極めたのが西待機列、特につどい橋から夢の大橋周辺のエリア改善だ。古橋氏は「2023年の時も冬に向けて出そうと折衝を頑張ったが、当時は出せなかった。ここは2年越しでようやく出せることになった。担当者が2から3カ月ずっと粘り強く交渉し、ようやく設置許可をもらえた念願の臨時基地局だ」と、その舞台裏を明かした。この執念の交渉により、他社に負けない強力なエリアを構築できたと胸をはる。
では、その臨時基地局によって、どの程度の効果が得られるのだろうか? ドコモは12月30日、一部の報道関係者に対し、「ドコモスピードテストアプリ」を用いて速度測定の結果を開示した。西待機列の場となったつどい橋付近での計測では、NSAの下り1.8Mbps/上り4.6Mbpsだったのに対し、SAは下り132.9Mbps/上り19.7Mbpsと、下り通信速度において圧倒的な差を記録した。
一方、東待機列にはドコモ初となる3セクタの「MMU(Massive MIMO Unit)」搭載移動基地局車を導入した。MMUは従来のアンテナより2倍以上の通信性能を持ち、一人一人に専用の周波数リソースを提供する技術だ。古橋氏は「東待機列は全てMMUでカバーしており、完成形に近づいている」と自信をのぞかせる。
東待機列に設置された3セクタのMMU搭載移動基地局車の上部を確認したところ、本来はさらに高さを出せる(伸びる)アンテナをあえて低くしていた。これは収容能力(一度に接続できる人数やデータ量)を向上するための工夫だという。このエリアでの速度測定結果は、NSAの下り125Mbps/上り20.7Mbpsだったのに対し、SAは249.2Mbps/上り44.3Mbpsと、こちらも下り通信速度で圧倒的な差を記録した。
このほか、ドコモは屋内についても全ての既存局で5G SA化を終えており、会場のどこにいても高速通信が享受できる環境を整えた。
技術的な設備増設に加え、ドコモは利用者の「生の声」を重視している。SNS上の投稿を確認し、通信速度への不満や特定のスポットでの不具合が報告されれば、即座に対応する体制だ。ドコモ広報は、「気になる投稿があり、臨時基地局で対応できるエリアであれば、現場へスタッフを派遣して改善を図る遊撃班を2024年から継続して投入している」と説明する。
快適な通信を実現する5G SAは、個人向けにはオプションサービスとして提供されている。月額料金は550円だが、現在はキャンペーンにより追加料金なしの無料で使用できる。申し込みはWeb上の「ドコモオンライン手続き」や「ahamoオンライン手続き」「ドコモオンラインショップ」のほか、ドコモショップ等の取扱店で行える。My docomoから手続きすることも可能だが、サービス名を探すのが手間な場合は、5G SAの公式ページにある「お手続きサイトへ」のリンクをタップするのが最短ルートだ。
ドコモ広報によれば、5G SAオプションは申し込み完了後、即時に適用され、エリア内であればすぐに利用可能となる。古橋氏は「電池持ちを気にして5G設定をオフにしている人もいるが、こうした集客イベントではぜひオンにして来てほしい。その上でSAに入り、快適な通信を体感してほしい」と、利用者に強く呼びかけた。コミケ50周年という節目において、ドコモは最新技術と泥臭い現場努力の両輪で、世界最大の祭典を支え続ける。
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