Xiaomiは日本市場で成功するのか? カギを握るのは「5G」と「改正法」石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2019年12月14日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

改正・電気通信事業法の施行も日本進出の後押しに

 Xiaomiが日本への参入を決めたもう1つの理由が、10月1日の電気通信事業法改正だ。この改正では各キャリアに分離プランが義務付けられたのと同時に、端末に対する割引も最大2万円に制限された。分離プランとして設計された料金に変更すれば、トータルでの支出は変わらないか、やや下がる格好だが、端末の“素の価格”が見えやすくなった結果、ハイエンドモデルの売れ行きにはブレーキがかかりつつある。

 この状況が、Xiaomiにとって追い風になると見ているようだ。ワン氏は「リーズナブルな価格ながら高スペックの商品を提供できるのは、Xiaomiの強み」としながら、次のように語る。

 「電気通信事業法が改正される前は、キャリアが販売するスマホには端末購入補助があった。そのため、日本のユーザーはリーズナブルなスマートフォンに関心が持てなかった。端末購入補助が2万円に制限された結果、携帯電話に対する支出も多くなっている。Xiaomiの商品はリーズナブルなため、法改正(の趣旨)にも合っている」

Xiaomi
Xiaomi 利益率を5%程度に留め、低価格を武器にするXiaomi。電気通信事業法の改正も追い風になると見ているようだ

 とはいえ、Xiaomiが日本で発売するMi Note 10やNote 10 Proは、1億800万画素のカメラを搭載し、プロセッサもSnapdragon 730Gと、ミドルレンジではあるが、どちらかといえばハイエンドに近い端末だ。前者が5万2800円(税別、以下同)、後者が6万4800円と、絶対値として見ると、安いとまではいえない。カメラの性能を考えると、確かにお値打ちではあるものの、SIMロックフリースマートフォンのボリュームゾーンは3万円前後のミドルレンジモデル。この価格帯は、大きく超えている。ワン氏も「Mi Note 10(シリーズ)については、数量を求めているものではない」と語る。

Xiaomi
Xiaomi Mi Note 10はカメラが5つで、メインカメラは1億800万画素とハイスペックモデルに近い位置付け。価格も5万2800円と、SIMロックフリースマホの中では高めだ

 新規参入にあたってMi Note 10、10 Proを選んだのは、「Xiaomiがテクノロジーの会社だから」だ。「Mi Note 10(シリーズ)はカメラにフォーカスした商品で、次世代の撮影ができる仕様。高スペックのものを好むユーザーに向け、第1弾としてこの商品を投入した」という。その急成長ぶりに、日本でもスマートフォンに詳しいユーザーには有名なXiaomiだが、本格的にビジネスを広げるには、まだまだ知名度は足りない。技術的に特徴のあるMi Note 10、10 Proを投入する理由は、ここにある。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月07日 更新
  1. ヨドバシ通販は「高還元率で偽物リスク低い」──コレが“脱Amazon”した人の本音か (2025年12月06日)
  2. 「健康保険証で良いじゃないですか」──政治家ポストにマイナ保険証派が“猛反論”した理由 (2025年12月06日)
  3. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  4. ドコモも一本化する認証方式「パスキー」 証券口座乗っ取りで普及加速も、混乱するユーザー体験を統一できるか (2025年12月06日)
  5. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  6. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  7. 楽天モバイルが“2025年内1000万契約”に向けて繰り出した方策とは? (2025年12月06日)
  8. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  9. ドコモが「dアカウント」のパスワードレス認証を「パスキー」に統一 2026年5月めどに (2025年12月05日)
  10. Amazonでガジェットを注文したら、日本で使えない“技適なし製品”が届いた 泣き寝入りしかない? (2025年07月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー