「MNOにできないことをやる」 成長が鈍化するMVNO市場でmineoが出した答えMVNOに聞く(2/3 ページ)

» 2020年02月07日 06時00分 公開
[石野純也ITmedia]

500kbps使い放題が生まれた背景

―― 次に、「パケット放題」についてうかがいます。500kbpsで使い放題というサービスは、やはりニーズが高かったのでしょうか。

mineo 低速時の速度が500kbpsになる「パケット放題」。各プランに組み合わせられるオプションとして用意

福留氏 このサービスをリリースした背景は、大きく3つあります。1つ目が、以前から「一定の速度でいいから使い放題のサービスを提供してほしい」というご意見をいただいていたことです。今も節約モードで200kbpsにすれば使い放題になりますが、「有料でいいからもう少し高速な使い放題のサービスがほしい」という声をいただいていました。

 2つ目の背景が、2019年6月に5周年記念企画として行ったトライアルです。そのときには13万人の方がご利用になり、65%の方が満足だと回答しました。そのトライアルを受け、サービス化してほしいという声を多数いただいたのが、3つ目の背景になります。

―― 意地悪な質問ですが、満足したのが65%ということは、35%は不満だったということですよね。この方々は、何が不満だったのでしょうか。

福留氏 もう少し高速にしてほしいという声が多かったですね。

―― ただ、もっと速度を上げると、350円には収まらない。そういった理解でよろしいでしょうか。

福留氏 そうですね。このサービスに関しては、値段も共創アンバサダーと決めています。どのぐらいの値段で、どのぐらいの速度であれば使っていただけそうかのバランスを、共創アンバサダーの方々に相談していますが、かなり攻めた値段になったと思っています。

太田氏 もちろん万人向けではありませんが、刺さる人には刺さるサービスだと考えています。

―― 他社でも料金プランの1つとして低速な使い放題サービスはありましたが、なぜオプションという形にしたのでしょうか。

福留氏 さまざまなお客さまに使っていただきたいという思いがあり、オプションにしました。そのため、シングル(データ通信のみ)にもデュアル(音声通話対応)にも付けることができます。使い放題サービスという観点では、500kbpsで最安になるのではないでしょうか。au回線のシングルでしたら1050円から、デュアルでも1660円からお使いになれます。

―― 高速通信をたまにオンにしたいというニーズもありそうですね。

福留氏 はい。スイッチはオンにもオフにもできるようになっています。普通の速度で使いたいこともあるという声があったからです。

太田氏 状況によっては、例えばアプリをダウンロードしたり、高画質な動画を見たりしたいときもあります。そういうときは、節約モードをオフにすることができます。

―― こちらは、どのぐらいのユーザー数を見込んでいるのでしょうか。

福留氏 こちらも、少なくとも5万人程度にご利用いただけるのではないでしょうか。根拠ですが、節約モードをお使いの方が、全体の1割程度、10万人強います。そういったところを見ても、5万人ぐらいにはなると思います。トライアルでも13万人でしたからね。

―― mineoにとっては、収益源にもなりそうですが、いかがですか。

福留氏 ただ、ダウンセル(下位の料金プランに変更すること)の方もいるでしょう。3GBコースだった方が、500MBコースにするようなこともあると思います。そういったことも含めてサービス設計しているので、収支にはあまり影響はありません。全体で見れば、ちょっとプラスになるぐらいでしょうか。

―― 純増数にもプラスになりそうですか。

太田氏 はい。新規契約の方にも訴求できるのではないかと考えています。そういった軸でのアピールもしていきたい。5万のうち、1万は新規のユーザーという想定です。

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