5Gが創出する新ビジネス

スマートフォンに収まらない5Gの可能性 何を生み出そうとしているのか:5Gビジネスの神髄に迫る(2/3 ページ)

» 2020年04月13日 08時42分 公開
[佐野正弘,ITmedia]

低遅延で期待される自動運転やeスポーツ

 続いて超低遅延で実現できるとされているものだが、現在その代表例となっているのはやはり自動運転ではないだろうか。屋外でも場所を選ぶことなく、遅延が非常に小さい5Gが、自動運転の実現に大きく貢献することは確かだろう。

 多くの人が自動運転と聞いてイメージするのは、やはり車が自律的に判断して操縦してくれるというものだろうが、その実現には技術だけでなく法整備も含め、まだ時間がかかると考えられる。そこで当初5Gで実現されるとみられているのは、人の手がある程度入る形での自動運転だ。

 例えばソフトバンクは2019年2月に、先頭のトラックを後続のトラックが自動的に追従する、隊列走行の実証実験を実施している。これは車と基地局だけでなく、基地局からの電波が届かない場所でも車同士が直接通信することで隊列走行を継続できるというもので、実現すれば運転手が1人で複数のトラックを同時に操縦できることから、物流での省力化が期待されている。

 またNTTドコモはコマツと、5Gを活用した建設機械の遠隔操作に関する実証実験を実施している。工事現場でも人手不足が叫ばれているが、5Gを活用して建設機械を操作することで、1人で複数の工事現場を担当できるなど、やはり省力化が期待されている。

ドコモ NTTドコモはコマツと、5Gを活用した建設機械の遠隔操作に関する実証実験を積極的に実施。少ない人数で複数の建設現場を担当しやすくなるなど、省力化に期待が持たれている

 よりコンシューマー向けという目線でいうと、注目されているのはゲームへの活用だ。特にネットワークを経由した対戦ゲームにおいて、遅延が少ないことはプレイヤーの操作がずれなく反映されることにもつながってくることから、以前より重要視されている。

 特に昨今ではeスポーツが大きな注目を集めていることから、遅延が少ない5Gのネットワークをeスポーツに活用するという取り組みも積極的になされている。実際、「東京ゲームショウ2019」では、ドコモがブース内に5Gのネットワークを用意し、会場での対戦ゲームプレイや、eスポーツの大会などに活用されていた。eスポーツの大会は必ずしも専用の設備が用意できるとは限らないことから、どこでも超低遅延を実現する5Gの広がりが、eスポーツの普及拡大に大きく貢献する可能性もありそうだ。

ドコモ ドコモは「東京ゲームショウ2019」にブースを出展、超低遅延が生かせるスタンドアロン運用の5G基地局を設置してeスポーツ大会などに活用していた

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