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iPad Pro用「Magic Keyboard」を試す プロ仕様のキーボードと日本語入力に満足(1/2 ページ)

» 2020年04月20日 22時00分 公開
[石野純也ITmedia]

 フルディスプレイを採用するiPad Pro用の純正アクセサリーとなる、「Magic Keyboard」が発売される(4月21日に出荷開始予定)。このキーボードは、Macと同じシザー構造のキーと、「Magic Trackpad」が一体となった製品。従来の「Smart Keyboard Folio」と同様、iPad Proの保護用ケースになる一方で、キーストロークが深くなり、打ち心地は大きく上がったという触れ込みだ。

 筆者は発売に先立ち、一足先に12.9型版iPad Pro用のMagic Keyboardを試用することができた。ここでは、そのレビューをお届けしたい。

Magic Keyboard iPad Pro用の「Magic Keyboard」が、予定を前倒して発売される

装着したときの外観はまるで小さなiMacのよう

 Magic Keyboardといっても、あくまでiPad Pro用のアクセサリー。外側の素材はSmart Keyboard Folioと同じ樹脂でできており、マットな柔らかな手触り。装着した後はラップトップPCのように閉じることもできるが、たたずまいはどちらかと言うと、iPad Proにケースを装着したときのそれに近い。

Magic Keyboard 外側の素材は、Smart Keyboard Folioと同じで、マットで柔らかな手触り
Magic Keyboard iPad Proに装着したところ。たたずまいは、まるでMacのようだ

 上下には丸型のヒンジがあり、開くときはまずここを外側に向かって動かす。接着面の途中には折れ目があり、細かな角度調整はここで行う仕掛けだ。ヒンジ部分は90度までは開かず、わずかに角度がついた状態で固定される。iPad Proのディスプレイ面をより上に向けたいときには、外方向に折り目を曲げて調整するというわけだ。ただし、可動範囲はそこまで広いわけではなく、可動範囲は最大で130度ほどだ。

Magic Keyboard 丸型のヒンジと、その上の折り目で角度をつける
Magic Keyboard
Magic Keyboard 折れ目の可動範囲は見た目より広くない。ディスプレイを上に向けるようなことはできない

 Smart Keyboard Folioは、iPad Proの背面にマグネットで装着しつつ、本体をキーボードの数字キーの上にあるミゾにはめて固定する構造だったが、Magic Keyboardは方法が少々異なる。背面をマグネットで固定するのみだが、背面の接着力はSmart Keyboard Folioより強力で、折り目より下の部分は宙に浮いたまま使用する。支柱でディスプレイを宙に浮かせるという意味では、iMacのデザインにも近いといえそうだ。

Magic Keyboard ディスプレイが浮いたような格好になり、iMacのようにも見える

 Magic Keyboardは利用シーンも多彩だ。机やテーブルの上で安定してキーボードを打つときにはもちろん、ラップトップPCのように太ももの上に置いて使うこともできるように設計されている。スタンドで本体を立てる2-in-1のPCとは、この点が異なる。

 ただし、ラップトップスタイルで使う場合、重量バランスには注意が必要になる。iPad Proの場合、ディスプレイ側がどうしても重くなってしまうため、少し角度をつけただけで、ひざの上から落下してしまう恐れがある。Smart Keyboard Folioと比べると、キーボード側の重みが増したため、落ちにくくはなっているものの、ラップトップPCほどの安定感はない。iPad ProもMagic Keyboardも、決して安い商品ではないため、ひざの上で使う際には、慎重に扱うようにしたい。

 ヒンジの側面にはUSB Type-Cのポートが1つあり、ここからiPad Pro本体を充電することができる。本体側のポートで充電しようとすると、ケーブルがつり下がった状態になってしまい、見栄えがあまりよくないが、ヒンジにあれば、そのような問題は起こらない。本体側のポートが空くことになるため、充電しながらSDメモリカードのデータを取り込めるのも、Magic Keyboard側にUSB Type-Cのポートがあるメリットだ。

Magic Keyboard ヒンジの側面には、USB Type-Cのポートを備えている

深いキーストロークで長文入力にも十分耐えるキーボード

 シザー構造のキーを採用しているため、Magic Keyboardの打ちやすさは、Smart Keyboard Folioとは一線を画している。1つ1つのキーを押し込んだときのフィードバックがきちんと指先に伝わってくるため、素早く打鍵しても、スムーズに文字を打てる。キーピッチは12.9型版のMagic Keyboardで約20mm。この点は、標準的なキーボードと同じだ。

Magic Keyboard キーピッチは約20mmだった。1つ1つのキーが独立していて、押し心地がいい

 Smart Keyboard Folioもメモ程度の文字を打つには十分だったが、キーストロークが浅いため、強くキーをたたくと、指への反動も大きくなり、長時間打っていると指が痛くなりやすい。Magic Keyboard Folioは、その課題を解消した格好だ。

Magic Keyboard シザー構造を採用し、しっかりとした押し心地を実現した

 キーボードにLEDが仕込まれているため、暗い場所でもキーの内容を確認できるのもありがたい。この輝度は、「設定」の「一般」にある「キーボード」から「ハードウェアキーボード」の画面を開いて、変更することもできる。ちなみに、輝度は環境光の強さに応じて、自動的に変更されるようだ。

Magic Keyboard キーボードの刻印が光るため、暗い場所でも使いやすい
Magic Keyboard 設定で輝度を変更することもできる

 3月に配信が始まったiPadOS 13.4では、「ライブ変換」に対応し、日本語入力の変換精度も上がった。この機能については、iPad Proのレビュー記事でも触れた通りだが、Magic Keyboardとの相性はすこぶるいい。キーボードというハードウェアと、日本語入力というソフトウェアの両翼が一気に進化したことで、原稿レベルの長文も難なく入力できるようになった。この点は、高く評価できるポイントだ。

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