緊急事態宣言で外出自粛の真っ最中にカメラのレビューをするのもどうかと思うけど、せっかく手元に来ているのだからするのである。
今回はサムスン電子の主力機「Galaxy S20 5G」。S20といえば1億画素センサーを搭載したS20 Ultraが話題だが、まだ日本での発売も決まってないので、その前に発売済みのモデルである。
ディスプレイは6.2型で3200×1440ピクセル。重さは約163g。S20+より一回り小さくて手に持ちやすい。
こういうご時世なので、今回の作例は自宅から半径約2km圏内で公共交通機関は使わずに済ませております。室内作例(人物と猫)は近所の「保護猫シェルターqueue」さんでお願いしました。ご了承を。
ではGalaxy S20 5Gのカメラの話。S20 5GはS10と同じくトリプルカメラで……いや、全然同じくじゃない。トリプルカメラなんだけど、ちょっと前代未聞の構成なのだ。
一番上が12M(1200万画素)の超広角カメラである。それはいい。13mm相当の超広角だ。2番目が12M(1200万画素)の広角カメラである。これも問題ない。F1.8で26mm相当だ。センサーサイズもちょっと大きめで画質も期待できる。
謎なのが3番目。64M(6400万画素)の望遠カメラである……が、望遠カメラといいながら画角は28mm相当。いやそれ全然望遠じゃない。レンズスペックとしては普通に広角レンズだ。
でも望遠とはこれいかに。まあそういうときは撮ってみるのである。いつもの場所で。
これが基本の画面。おなじみのGalaxyのカメラアプリ画面だ。グリッド表示とベストショットはオンにしてある。
めちゃ色鮮やかでディテールの不自然さもなくよい写りだ。
では超広角に。ズームのボタンをタップすると、数秒だけ右側に「倍率」ボタンが表示される。これが2020年のGalaxyの特徴だろう。1xから30xまでワンタッチでさっと設定できる工夫だ。指の細かな動きで倍率変えるの大変なので、これはありがたい。
0.5xが超広角、1xが広角、2x以上は望遠カメラとなる。
ここからが本題だ。木が1本の望遠ボタンをタップすると、2xになるかと思いきや、3xになった。
6400万画素の中央部分のちょうど72mm相当に値するエリアを切り出して1200万画素にしたものだけど、連写して微妙なずれを考慮して合成するなど、高度な技を使っているのかもしれない。
さらに10xと30xも見てみよう。
デジタルズーム時の処理がうまいので、30xはムチャにしても、10xくらいなら使えそうだ。
一応、2xの写真も撮ってみた。
さて6400万画素のセンサーであるが、記録される画像サイズは1200万画素。2xということは「1200万画素で52mm相当」の写真ということになる。これ、従来の「1200万画素で2xの望遠カメラ」で撮った写真と比べてどうなん? と気になりません?
試しに昨秋、Galaxy Note10で撮ったカットと等倍表示して比べて見た。
おお、全然変わらないどころか、ガン見するとS20 5Gの方がディテールがちゃんとしているではないか。単純に計算すると、6400万画素から1200万画素分を切り出そうとすると、2xなら余裕なのである。
従来通りの1200万画素のセンサーに2倍の望遠レンズを付けるのではなく、新しく6400万画素のセンサーに広角レンズを付けて望遠用にした理由は何ともいえないけど、結果は悪くない。
3つ目のカメラは「高画素を生かしたデジタルズームを楽しむカメラ」と捉えた方がよさそうだ。
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