Samsungのペン付きスマートフォン「Galaxy S20シリーズ」は、1億800万画素カメラに左右を丸めた、同社おなじみのエッジディスプレイを搭載した「Galaxy Note20 Ultra」と、フラットディスプレイを採用した「Galaxy Note20」の2モデルが発売されます。Samsungのフラグシップスマートフォンは2015年に発売された「Galaxy S6 edge」以降、エッジディスプレイを搭載してきました。Galaxy Note20は、久しぶりに「ベゼルが見える」Galaxy上位モデルといえます。
実はSamsung、2020年1月にフラットディスプレイを採用したミッドレンジモデルとして「Galaxy S10 Lite」「Galaxy Note10 Lite」の2つのモデルを発表しています。Galaxy Note10 Liteは6.7型(1080×2400ピクセル)のディスプレイを搭載しており、これはGalaxy Note20も同じです。ただしライトモデルということで表面はゴリラガラスではありません。Galaxy Note10 Liteはプロセッサがミッドハイレンジ向けのExynos 9810を採用しており、香港での価格は4698香港ドル(約6万5000円)です。
Samsungの現行スマートフォンはフラグシップとして「Galaxy Sシリーズ」「Galaxy Noteシリーズ」の2ラインがあり、これらとは別にエントリーからハイスペックモデルまでをそろえる「Galaxy Aシリーズ」、インドなど新興市場向けのコスパ重視モデル「Galaxy Mシリーズ」の4つに区分されています。Galaxy Note10 LiteとGalaxy S10 LiteはフラグシップとGalaxy Aシリーズの中間に位置するモデルで、Galaxy Note10 Liteは「ペン付きで買いやすい価格のモデル」として各国で販売されています。
アウトカメラは1200万画素×3(広角、超広角、2倍望遠)で四角い台座に載っています。このデザインは2020年のGalaxy Aシリーズに類似しています。インカメラは3200万画素と高く、これはセルフィーを意識した製品が多いGalaxy Aシリーズに通じるスペックです。こうして見ると、Galaxy Note10 LiteはGalaxy Aシリーズに属する製品といえるのかもしれません。
本体下部には3.5mmイヤフォンジャックも残されています。専用スタイラスペン「Sペン」は本体右下に収納可能。Galaxy Not10シリーズと同じペンを採用しているようです。本体に挿入した状態で充電され、Bluetoothリモコンとしてカメラシャッターなどに使うこともできます。なお、手書きに使う場合は充電されていなくても利用可能です。
6.7型のフラットディスプレイは、実はペンでの操作がしやすいと思います。筆者は歴代のGalaxy Noteを使ってきましたが、左右がカーブしたエッジディスプレイはコンテンツを見るのには適していますが、Sペンを使った手書きをするときはディスプレイの両端部分に書き込むことはできません。普段使っている分には側面部分まで書き込むことはないものの、全画面を使ってイラストを描く用途などにはフラットディスプレイが向いています。
Galaxy Note10 Liteを出したのは、ユーザーからフラットディスプレイとSペンの組み合わせのフィードバックを得るためだったからではないでしょうか。そしていい評価が得られたことから、Galaxy Note20でもフラットディスプレイを採用したのかもしれません。
Samsung Notes(Galaxy Notes)への手書き文字のテキスト化など、Galaxy Note10シリーズ同等の機能も搭載しています。メインのスマートフォンを持っているけど、もう1台ペンが使えるスマートフォンが欲しい、という人にも価格が安いGalaxy Note10 Liteは向いています。もしかすると、後継の「Galaxy Note20 Lite」が年末か2021年明けに発表されるかもしれません。
Samsungは日本のMVNO向けにSIMロックフリーの低価格モデルも出していますが、Galaxy Note20 Liteがその市場向けに発売される可能性もあり得ます。ペン付きノートの選択肢が増えるのはいいことではないでしょうか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.