3キャリアの社長も期待する“5G対応iPhone” 契約者+エリア拡大の起爆剤へ次期iPhoneはどうなる?

» 2020年09月15日 11時07分 公開
[井上晃ITmedia]

 例年なら9月に発表と発売を迎える新型iPhone。2020年も発売時期こそ不明なものの、新モデルに関するウワサがSNSやニュースサイトをにぎわせている。今回はiPhoneの5G対応に関する情報をまとめてみた。

 iPhoneの5G対応に関しては、5G用モデムチップの搭載がカギとなる。Appleは同市場をけん引するQualcommと知的財産紛争を繰り広げていたため、近年はIntelからモデムチップの供給を受けていた。しかし、Intelは5Gモデムチップ開発に苦戦していたため、これがiPhoneの5G対応が遅れた要因であると推察された。

 その後、Appleは2019年4月にQualcommと和解したことを発表した。5G対応iPhoneが登場するなら、Qualcomm製のモデムチップが採用されることが見込まれる。例えばBloombergでは、iPhone 12シリーズ(仮)の4モデル全てが5Gに対応する可能性が高いと報じている。また同誌によれば、5G対応iPhoneに搭載されるモデムがSnapdragon X55であり、Sub-6だけでなくミリ波もサポートする可能性が高い。

iPhone 新iPhoneに搭載されると予想される「Snapdragon X55」

 一方、Digitimesは、台湾のICサプライチェーンの情報筋より、モデムにはSnapdragon X60が搭載される可能性が高いと報じている。しかしQualcommは同チップ搭載製品については、2021年発売を予告しており、真偽は定かではない。

 Appleは2019年7月に、Intelのモデムチップ事業部門の一部を10億ドルで買収すると公表している。Appleといえども、モデムチップの開発は簡単ではないと予想できるので、2020年モデルに自社開発のモデムチップを搭載したiPhoneが登場する可能性は低いだろうが、将来的には自社開発にかじを切る可能性もある。

3キャリアの社長もiPhoneの5G対応に期待

 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは2020年度第1四半期の決算説明会で、2020年度後半に向けて5G対応エリアを強化する姿勢を改めて示した。また各社の社長はiPhoneの5G対応についても言及している。

 ドコモの5G契約数は8月1日時点で24万に上り、2020年度で250万契約を目指す。このマイルストーンでは“普及モデル”の投入がカギを握る。また吉澤和弘社長は、「250万」という数字は「iPhoneの5Gも考慮に入れている」と語っている

ドコモ ドコモは2020年度に5Gで250万契約を目指すが、この数字にはiPhoneもカウントしている

 KDDIの高橋誠社長は、「iPhoneが対応するかどうかは臆測の域を出ていないが、そうなった場合、かなり力を入れていかなければならない」と、5Gエリア拡大の決意を語った

 ソフトバンクの宮内謙社長は、「Googleも5Gスマホを出すと発表したし、まだ分からないが、いつかはiPhoneも(5Gスマホとして)出てくるはず。いち早く5Gネットワークを構築していかないといけない」とコメント。iPhoneも意識しつつ5Gエリア拡大を急ぐ姿勢を示した。

ソフトバンク ソフトバンクは2023年度までに5Gスマートフォン比率6割を目指す。当然、iPhoneの果たす役割も重要になる

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