5Gが創出する新ビジネス

IIJ、5G SA方式に対応したeSIMを開発 フルMVNOやローカル5Gでの利用を想定

» 2020年11月02日 14時19分 公開

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は、11月2日に5Gの通信方式「5G SA(スタンドアローン)方式」に対応したeSIMを開発し、動作検証完了を発表した。

IIJ.5G SA方式対応のeSIMを開発

 現在キャリアの5Gサービスは、4Gのコアネットワーク基盤に5G基地局を追加したNSA(ノンスタンドアローン)と呼ばれる方式で構築されている。しかし5G基地局とは別に4G基地局も運用している必要があるため設備の二重投資になり、ローカル5Gのような自営網では導入が困難となっている。一方、5G SA方式は5G基地局のみで利用でき、5G NGC(次世代コア)と組み合わせれば高速通信や低遅延・多数同時接続などを享受できるとしている。

 同社は市場に5G SA対応SIMを提供するため、SIMカードベンダーのG+D Mobile Securityとともに開発を進めてきた。移動体通信事業者の業界団体「GSMA」標準のeSIMに、3GPPで規格化された5G SA対応の機能を追加した「eUICC」プロファイルを搭載の上、市販の5G SA対応スマートフォンにダウンロード。試験用の5G SA基地局、5G SAコアネットワークで動作検証を行い、通信を確認した。5G SAに対応したeSIMの開発、動作検証の完了は国内初になるという(同社調べ)。

 これにより、5Gコアネットワークを用いたフルMVNO/ローカル5Gで5G SA方式の接続サービス提供に必要となる要素技術を確立。対応機器、端末が商用化され次第、速やかに5G対応できる体制が整ったことになり、今後は同社のフルMVNO基盤で提供するサービスやローカル5GのIoT/M2M用途などを想定して製造業や流通、医療現場などの分野でローカル5G導入を支援していく。また、プラスチックカード型のSIMも今後5G SA対応を進めるという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月19日 更新
  1. 資さんうどんが「PayPay」の取り扱いを停止 他のキャッシュレス決済は引き続き利用可能 (2025年12月16日)
  2. なぜ? U-NEXTが自ら「U-NEXT MOBILE」を立ち上げた理由 20GB実質300円、ワンプラン、eSIMのみの狙い (2025年12月17日)
  3. 総務省が「SIMのみ契約」のMNP優遇を問題視 端末値引きは規制緩和の可能性も? (2025年12月17日)
  4. スマホ新法は「オープンなAndroidエコシステム」と矛盾しない Googleが高く評価する理由 (2025年12月18日)
  5. Apple Watchいらず、iPhone単体でフィットネスの「ワークアウト」を測定する方法は? (2025年12月17日)
  6. 「住信SBIネット銀行」の商号変更に関する一部報道 ドコモは「準備が整い次第公表」 (2025年12月18日)
  7. 「Pixel 10 Pro XL」のコンピューテショナルカメラはどのくらい進化した? 撮ってみて分かったこと (2025年12月18日)
  8. テスラの車載Wi-Fiをワイモバイルの“子回線”と“バッテリーレス”ルーターを活用して“安く”構築した話 (2025年12月17日)
  9. iOSが「スマホ新法」に対応、アプリストアや決済手段を選べるように App Storeの手数料も改定 (2025年12月18日)
  10. 500ポイントもらえる「東京アプリ」のテストに参加する方法は? 1.1万円相当のポイント付与に向けた最終検証がスタート (2025年12月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー