ジュピターテレコムが、MVNOサービス「J:COM MOBILE」にて、月額1500円(税別、以下同)で60分までの国内通話がかけ放題となる「かけ放題(60分/回)」を12月2日から提供する。60分を超えた後は30秒あたり20円の通話料金が発生する。
J:COM MOBILEでは、既に月額850円で5分かけ放題のサービスを提供しているが、かけ放題(60分/回)は、より長い通話をする人に向けたもの。完全かけ放題としなかった理由は、同社によると、1回あたりの通話の99%が60分以内で済んでいるからだという。
また、専用アプリを用いて通話料金を10円/30秒とするサービスを多くのMVNOが提供しているが、通話アプリの着信履歴から折り返すと、通常の20円/30秒の料金が発生し、専用アプリに切り替える必要がある。このようにユーザーの手間が増えてしまうことから、通常のアドレス帳や通話アプリからそのまま発信できるサービスにした。
大手キャリアは月額1700円でかけ放題のサービスを提供しているが、それを下回る1500円とすることで、料金がお得になるようこだわった。
一方、MVNOはキャリアに対して音声通話の卸料金を従量課金で支払う必要があり、60分のかけ放題となると、キャリアへの支払い額も増してしまう。しかし音声通話の卸料金は値下げの方向で見直される予定で、日本通信は完全かけ放題のサービスを提供している。「今は(60分かけ放題だと)採算が厳しいのが実態だが、それ(卸料金見直し)を先取りして、なるべく早く便利なサービスを提供したい」(ジュピターテレコムの石川雄三社長)という狙いがある。
J:COM MOBILEは9月17日に料金プランを刷新し、データ容量を0.5GBプランは1GBに、3GBプランは5GBに増量した他、10GBと20GBのプランは容量超過後の速度を1Mbpsに増速した。石川氏によると、刷新したプランは「大変好評」とのことで、販売数が2倍に伸びているという。特に支持を集めているのが、月額980円という安さが際立つ1GBプラン。その次は10GBプランが多いという。
セット端末では「iPhone SE(第2世代)」と「Galaxy A20」が売れ筋とのこと。また「AQUOS sense3も、今後売れていくのではないかと考えている」とした。
Y!mobileとUQ mobileが月額4000円前後で20GBのプランを発表した。J:COM MOBILEも20GBプランを提供しており、石川氏も一定の影響はあるとみているが、「われわれもキャンペーンを通じて、十分戦えると考えている(J:COMの20GBプランは、SIMのみが24カ月目まで3380円〜3980円、端末セットが12カ月目まで3980円)。20GBに代表される大容量プランはMVNOの構造上の問題で難しいが、10GBなら今後も戦っていける」とした。
J:COM MOBILEのイメージキャラクターとして、吉高由里子さんを起用することも発表した。11月20日から、吉高さんが出演するテレビCMが放映される。
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