買い替えは「iPhone 12」がベスト! 12 Proを買った筆者が後悔した理由(3/4 ページ)

» 2020年12月14日 13時00分 公開
[島徹ITmedia]

iPhone 12 Proの望遠カメラは使いこなせば便利、ただ普段使いするかが問題

 カメラはiPhone 12とiPhone 12 Proともに、1200万画素の広角カメラと超広角カメラを搭載。超広角を使うと広い風景をダイナミックに撮影できる他、狭い室内を広く撮るのにも便利です。またiPhone 11シリーズと違い、夜景や暗い場所を明るく撮れるナイトモードを、広角に加えて超広角でも使えるようになりました。多くの人はこの2つのカメラさえあれば満足できるでしょう。

iPhone 12 iPhone 12は広角と超広角カメラを搭載。12 Proはさらに2倍望遠カメラを搭載

 これに加えて、iPhone 12 Proには望遠2倍(35mm版換算で52mm)のカメラが搭載されています。一眼デジカメなどで50mm前後の画角に慣れている人にとっては、遠近感を抑えた写真撮影を楽しめます。

 一方、多くの人が望遠と聞いて想像する、遠くの小さい被写体を大きく撮る用途にはあまり強くありません。デジタルズームを利用した際の画質もかなり向上しているのですが、5倍や10倍デジタルズームはメモ用途がせいぜいでしょう。SNS向けの画質重視だと基本は光学2倍、デジタルズームとは分かりにくいのは3〜4倍までという印象です。

iPhone 12 広角カメラ
iPhone 12 超広角カメラ
iPhone 12 望遠2倍カメラ
iPhone 12 デジタルズーム10倍

 12 Proの望遠が必要かどうかの判断ですが、従来のiPhone XやXS、iPhone 8 PlusなどPlusシリーズの利用者なら、普段望遠カメラを使っているかで判断するといいでしょう。

「LiDAR」「ProRAW」「Dolby Vision 4K HDR 60fps」は本当に必要?

 iPhone 12 Proにはこの他にも、やや特殊な撮影機能が搭載されています。ただ、活用するには事前知識が必要な他、実用性があるかというとやや微妙です。

LiDARスキャナーは今のところARアプリ開発者向け

 iPhone 12 ProのLiDARスキャナーは、周辺の対象物までの距離を計測できるセンサーです。簡単に言えば、正面の被写体の形状を正確かつ高速に取得できるセンサーと考えればいいでしょう。主な用途はARアプリとなります。

 ただ、一般向けのARを使ったサービス(AR撮影や、部屋に購入予定の家具を配置して見られるなど)は通常のiPhoneで利用できます。そもそもLiDARスキャナーはまだiPad Proと今回のiPhone 12 ProとPro Maxしか搭載しておらず、普及はまだ先の機能です。現時点で必要なのはARアプリの開発者や、いち早く新機能を試したい人向けでしょう。

iPhone 12 LiDARスキャナー対応アプリも徐々に増えつつある。「Canvas」は部屋を3Dスキャンして3Dデータ化できるアプリだ

 LiDARスキャナーのカメラ撮影での利用用途として、暗所のオートフォーカスが6倍高速になる、ナイトポートレートモード対応があります。ただ、iPhone 12とiPhone 12 Proともにカメラが高感度でオートフォーカスも優秀なので、LiDARスキャナーが必要なシーンは少ないです。

iPhone 12 夜の町でiPhone 12 Proのナイトポートレート撮影(モデル:秋子いをり)。iPhone 12も12 Proもセンサー性能は高いので、LiDARやナイトモードなしでもこの程度の撮影は可能だ

 また、暗い場所で照明もなしにナイトポートレートを撮るとノイズが増え、ポートレートとしては微妙な画質になるのでオススメはしません。もしナイトポートレートを使いたいなら、センサーの大きいiPhone 12 Pro Maxの利用を勧めます。

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