ソフトバンクの料金プラン刷新で何が変わる? 3ブランドの特徴を整理

» 2020年12月22日 22時31分 公開
[田中聡ITmedia]

 ソフトバンクが12月22日、料金プランの刷新を発表した。

 ソフトバンクは現在、「ソフトバンク」「Y!mobile」「LINEモバイル」の3ブランドで通信サービスを展開している。その中のソフトバンクとY!mobileはプラン内容を改定し、Y!mobileは5Gにも対応させる。LINEモバイルは新ブランドの「SoftBank on LINE(仮称)」に変更し、LINEモバイルの新規受付は終了する見通し。ここでは、3ブランドの変更内容を改めて整理する。

ソフトバンク 「SoftBank on LINE(仮称)」を発表するソフトバンクの榛葉淳副社長

ソフトバンクが自ら提供する「SoftBank on LINE(仮称)」

 SoftBank on LINEは、月額2980円で(税別、以下同)で20GBまでの通信を利用でき、LINEアプリの利用はデータ容量を消費しないことが特徴。申し込みはオンラインで受け付け、LINEアプリ上でそのまま申し込めるようにする予定。ここは「他社が追随できない大きなポイントになる」とソフトバンクの榛葉淳副社長は自信を見せる。

 SoftBank on LINEという名称はまだ仮のものだが、オンラインで、かつLINEでも申し込めることを示す分かりやすいネーミングといえる。月額料金とデータ容量はドコモの「ahamo」と同じだが、LINEのデータフリーとLINEから申し込めるというUX(ユーザー体験)で差別化を図る考えだ。

 LINEモバイルとの大きな違いは、MVNOではなくMNOとしてソフトバンクのネットワークをそのまま使えること。MVNOの課題といわれている、お昼時に通信が混雑して使いにくいという状況にも陥りにくい。また4Gだけでなく5Gを利用できるのも新たな特徴だ。

ソフトバンク SoftBank on LINEの特徴

 現行のLINEモバイルはSoftBank on LINEの提供開始に伴い、新規受付を終了する見通し。既存のユーザーは引き続きLINEモバイルを利用できる。会社としてのLINEモバイルはソフトバンクの完全子会社化となり、吸収合併する方向で協議する。LINEを軸とした通信サービスは、ソフトバンクがSoftBank on LINEをコンセプトに自ら提供していく。

 SoftBank on LINEをMVNOではなく、あえてMNOのサービスにした理由は、通信品質の問題もあるだろうが、2021年3月にヤフーとLINEが経営統合することもあり、「LINEとのシナジーをソフトバンクグループとして出していく。ソフトバンクの新たなブランドとした方がいい」(榛葉氏)と判断したため。既存のソフトバンク、Y!mobileと対等なブランドになるよう位置付けた。

 LINEモバイルで提供している1GB前後のプランは提供しないが、榛葉氏は「オンライン専用といえども20GBで2980円は魅力的だと思う。これからいろいろな声が集まってくるので、そういったことを総合的に考えて検討したい」と述べるにとどめた。

 SoftBank on LINEは当初、SIMのみ契約となり、端末は用意しない。端末の扱いについては「市場環境を見て決める」(ソフトバンク)とのことで、利用できる端末はWebサイトで順次公開する。ソフトバンクやY!mobileのユーザーが利用するにはMNP手続きが必要となるが、手数料は発生しない。

 オンライン専用ということでeSIMも提供され、ユーザーは物理SIMかeSIMを選択できる。

Y!mobileは値下げなしも、シンプルな設計に

 Y!mobileの新料金プランは、2020年12月下旬に提供する予定だった「シンプル20」を改定した「シンプルL」と、「シンプルS」「シンプルM」という3つのプランで構成される。Y!mobileの料金プランは期間限定の割引やデータ増量などを特徴に打ち出していたが、新プランではこれらは撤廃。Sが3GBで月額1980円、Mが10GBで月額2980円、Lが20GBで月額3780円というシンプルな価格設定にした。

ソフトバンク Y!mobileの新料金プラン

 期間限定の割引やデータ増量を加味しないと、現在のスマホベーシックプランはSが3GBで月額2680円、Mが10GBで月額3680円、Rが14GBで月額4680円なので、新プランの方が安い。ただし現プランがバンドルしている国内10分の通話がかけ放題のサービスは、新プランでは月額700円のオプション扱いとなる。シンプルS/Mは、700円を足すと現行のプランS/Mと同価格となり、シンプルLに700円を足すと、もともと提供予定だったシンプル20と同価格となる。従ってY!mobileの新プランは値下げというより、通話無料オプションが選択なしも可能になったこと、追加料金なしで5Gに対応したことが改善点となる。

 SoftBank on LINEとY!mobileはどちらも20GBプランがあり、データ容量はかぶっているが、前者はオンライン専用、後者は店舗でも契約を受け付けるという違いがある他、Y!mobileは家族割引または固定通信サービスとのセット割で500円の割引を受けられる。また小容量をカバーするのもY!mobileの役割となる。現在、Y!mobileのユーザー数は「600万に近づく勢い」(榛葉氏)だという。

 同じ20GBプランでもSoftBank on LINEの方がY!mobileより800円安いのは、店舗運営などの「サポートコストを極限まで削減した」(榛葉氏)ため。ドコモのahamoが月額2980円で20GBの料金実現しているのも、同様の理由と考えると分かりやすい。

ソフトバンクブランドは「無制限」で分かりやすく

 大容量のニーズをカバーするソフトバンクブランドでは、「5Gで使い放題」を特徴とする「メリハリ無制限」を新たに提供する。月額6580円は、現在の「メリハリプラン」から4Gは900円、5Gは1900円の値下げとなる。4Gと5Gで価格差がないのも特徴で、期間限定の割引も行わない。

ソフトバンク ソフトバンクの新料金プラン「メリハリ無制限」

 「まずお試しで、6カ月間や1年間は安くしていたが、6カ月後や1年後に値段が上がってしまうという声もあった」(榛葉氏)ことから、ずっと同じ料金とし、家族割引または固定通信サービスとのセット割にとどめ、「一度聞いたらカタログを見なくても理解いただけるようなプログラムに設定した」と同氏。

 段階制の「ミニフィットプラン」は月額3980円(〜1GB)から5980円(〜5GB)までの設計。SoftBank on LINEやY!mobileよりも最低料金すら高くなるため、ますます存在意義が薄くなりそうだが、終了するわけではなく、「状況を見て検討する」(榛葉氏)とのこと。とはいえ、ソフトバンクブランドはメリハリ無制限にほぼ一本化されたと言っても差し支えないだろう。

全てが「メインブランド」に

 ドコモのahamoは「サブブランドではなくあくまで料金プラン」という位置付けだが、ソフトバンクはY!mobileもSoftBank on LINEも含めて全て「ブランド」という言葉を使っている。しかし「サブブランド」とは呼んでおらず、各ブランドのニーズに合う人にとっては、全てのブランドが「メインブランド」になるという考えだ。例えば、オンライン契約と月額2980円で20GBに魅力を感じる人にとってはSoftBank on LINEはメインブランドになる、というわけだ。

 ソフトバンクとY!mobileなど、ブランドをまたいだ家族割引は適用できない、キャリアメールのアドレスは引き継げない、といった制約はあるが、各ブランドへの移行に伴う手数料は撤廃する。

 低容量から中容量、無制限までのプランを用意し、オンライン専用プランも設けることで、3ブランドで多様なニーズをカバーできそうだ。

ソフトバンク ブランド移行に伴う手数料は無料とする
ソフトバンク さまざまな価格帯とデータ容量をカバーする

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