2020年を振り返る(11月編): サブブランドの値下げは「羊頭狗肉」?Mobile Monthly Top10

» 2020年12月31日 17時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 2020年も残り数時間です。ITmedia Mobileのアクセスランキングを月単位で見ながら、モバイル業界の主なトピックを振り返っていきます。今回は11月のアクセス数トップ10を紹介します。

 11月のアクセス数の1位は、同月に実施されたスマートフォン決済のキャンペーンをまとめた記事でした。5位と6位の記事もそうなのですが、やはりスマホユーザーは“お得”に敏感なのか、決済やポイントのキャンペーン記事への引き合いは本当に強いです。

 10月に1位を獲得したNTTドコモの新製品発表会の予告記事の流れを受けて、発表内容をまとめた記事は3位にランクインしました。機種個別の紹介記事はトップ10に入りませんでしたが、ドコモに欠けていた5G対応のミドルレンジに対する興味……もですが、ソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia 5 II SO-52A」に関心を持った人が多かったようです。

 私個人としては、LGエレクトロニクス製の「LG VELVET L-52A」に「デュアルスクリーンなしモデル」と「デュアルスクリーンありモデル」の両方が用意されたことに驚きました。現時点ではデュアルスクリーンの単体販売はないため、デュアルスクリーンが必要かどうかを購入段階で“判断”しなければなりません。ドコモオンラインショップにおける販売価格の差は税込みで1万8216円ですが、恐らく単体で買うよりは安くなるのだろうなと考えると、非常に迷ってしまうでしょう……。

 デュアルスクリーンのスマホは、特に電子書籍を読む時に便利です。また「動画を見ながらSNS」「Webを見ながら動画」といった「ながら使い」も快適になります。利便性を取るなら、デュアルスクリーン付きモデルが良いのではないでしょうか。

ドコモの新モデル NTTドコモの2020年冬〜2021年春商戦向けの新しい5Gスマホ

 4位にランクインした武田良太総務大臣の発言も、非常にインパクトの強いものでした。

 10月30日付の会見ではUQ mobile(KDDIと沖縄セルラー電話)やY!mobile(ソフトバンクとウィルコム沖縄)の新しいプランを評価していた武田大臣。それが、およそ20日後の会見では一転して「羊頭狗肉(見かけに中身が伴わない様子)」と批判をしたのです。

 この後、総務省や各キャリアはいろいろと対応を進めていくことになる訳ですが、有限の財産である電波を使っているとはいえ、“私企業”である大手キャリアに対して「値下げをしろ」と迫るのは果たして正しい行いなのでしょうか……?

 そもそも、日本の携帯電話料金は世界と比べて極端に高いわけでもなく、各種割引を“全く”適用できない人もそれほど多くはありません。価格競争が進み過ぎた場合、その“しわ寄せ”をどうするかの議論もあまり見受けられません。

 むしろ、消費者を保護する観点から、月額料金や端末代金の「示し方」を指導することに力を注いだ方がいいのではないかと思う今日この頃です。

武田良太総務省 発言がいろいろな方向に影響を与えている武田良太総務大臣

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