「Apple ProRAW」がやってきた そもそもRAWとは? どんなシーンで使える?荻窪圭のiPhoneカメラ講座(1/4 ページ)

» 2021年01月07日 10時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 iPhone 12 Pro/Pro Maxのみの対応なんだけれども、10月のApple Eventで約束された「Apple ProRAW(以下、ProRAW)」がiOS 14.3でやってきた。読み方は「プロロー」、平仮名で書くと「ぷろろー」、ちょっと間抜けな感じでかわいい。

Apple ProRAW 2020年10月14日(日本時間)のAppleEventより

 それはどうでもいいんだけど、そもそもRAWとは何か。デジタルカメラに詳しい人なら周知のことだけど、そうじゃない人のためにちょっとだけ解説。

 解説はいらん、さっさと使い方や効果をって人は次の項は読み飛ばしてください。

RAWとは画像にする前の未処理データのこと

 カメラはイメージセンサーからのアナログ信号をデジタルデータに変換し、それを元に色や明るさやディテールやその他もろもろを調整して写真として成り立つ画像を作り出し(この作業を「現像」と呼ぶ)、JPEGやHEIF(heic)といった出力用の汎用(はんよう)フォーマットで保存する、という一連の作業を行っている。

 そして「現像処理」をする前の元のデジタルデータを「生のデータ」あるいは「未処理のデータ」ということで「RAWデータ」と呼んでいるのである。

 われわれがiPhoneの画面で見ている写真は全て「現像」済みのもの。現像にはデータを解析して、写真の色合いや階調、コントラスト、ディテールのシャープネス、ノイズ低減、肌の色、空の色やその他もろもろの細かいところを決定して、最終的な画像を生成する。このようにややこしい処理が必要で、スマートフォンの画質の多くはそこの処理で決まると思っていい。

 最終的な画像が生成されたら、それに不要な成分を削除してデータ量を減らし、さらにJPEGやHEIFという方式で人間の目に分からないように巧妙かつ絶妙にデータ量を落として圧縮して記録している。だから1200万画素ながらファイルサイズは1〜4MBに収まっている。

 対してRAWデータは現像や圧縮をする前の、色や階調やその他もろもろの情報が全て残った状態で、しかもデータ圧縮もしないので、ファイルサイズは1枚あたり20〜30MBと超デカいのだ。下手したらJPEGやHEIFで保存した時の10倍以上にもなる。

Apple ProRAW HEIF(HEICファイル)とRAW(DNGファイル)のファイルサイズ比較。同じものを連続して撮ったものなので前後と比較すると分かりやすい

 そんなRAWデータだが、アップルは今回わざわざ「Pro」をつけた「ProRAW」という名前にした。何が違うのか。

 普通のRAWデータは「イメージセンサーの出力をデジタル化したデータ」をファイルにしたもの。でも、iPhoneはそういうわけにはいかない。周知の通り「コンピュテーショナルフォトグラフィー」のたまもので、毎回「複数枚の撮影をして解析して合成している」から、1枚分のRAWデータだけでは済まないのだ。

 そこで、詳細は分からないけれども、イメージセンサーからの複数の出力を合成したけど現像処理はしてない段階のデータを「RAWデータ」とし、一般的なRAWデータとは違うという意味で「ProRAW」と付けたのだろう。

Apple ProRAW 2020年10月14日(日本時間)のAppleEventより。さまざまな処理の結果を1つのRAWデータに格納しているという話
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月26日 更新
  1. 「0.2秒で冷却」をうたうペルチェ素子搭載の腰掛けファン Amazonで53%オフ (2026年07月24日)
  2. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 330円で手に入る「足元灯」「非常灯」 充電式になって利便性向上 (2026年07月25日)
  5. 従来の健康保険証は7月31日で利用不可に 8月1日以降は「マイナ保険証」の利用を (2026年07月24日)
  6. サムスンが「Galaxy Z Fold8」で横長折りたたみを投入する理由 AIの進化にもマッチ、“iPhone包囲網”も万全か (2026年07月25日)
  7. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  8. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  9. モトローラから新しいミドルレンジスマホ「moto g37」シリーズ登場 ソフトバンク、楽天モバイル、ドコモも取り扱い (2026年07月24日)
  10. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー