HuaweiとXiaomiの動きに注目 2021年に中国メーカーの勢力図はどう変わるのか?山根康宏の中国携帯最新事情(4/4 ページ)

» 2021年01月08日 13時00分 公開
[山根康宏ITmedia]
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Vivo:iQOOシリーズを拡充し先進国展開を強化

 VivoはOPPOと出荷台数でほぼ横並びだが、主力の市場は新興国であり、製品ブランドを細かく分けることで市場ごとに最適な製品を展開している。

 従来の最新技術を搭載したモデル「NEX」は1機種も投入せず、ハイパフォーマンスモデルは「X50」「iQOO」という2020年から展開された新しいシリーズの上位モデルに任せることになった。さらに「V」「Z」「S」「Y」と複数の製品を持つ。製品種類が多岐にわたり、上位モデルに「Pro」「Pro+」とやや分かりにくい名称を付けているが(これはHuaweiも同様だ)、市場の成長に合わせてその時々に売れると思われる製品を次々と出していくことで、世界シェア6位以内を常にキープしているようにも見える。

 新興国ではVivoの存在感が高い国が多く、インドではSamsung、Xiaomiに次いで3位(カウンターポイント調査)。しかしすぐ後を低価格機ではRealme、ミドルレンジ以上のモデルではOPPOが追いかけてきている。

中国メーカー インドではシェア3位を維持しているVivo

 Vivoは新たなマーケットを開拓すべく、2020年10月から欧州に参入。イギリス、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、ポーランドでハイエンド5Gモデル「X51s」とミドルレンジ以下の「Y70」「Y21s」「Y11s」、さらにワイヤレスヘッドフォンなどを投入した。ブランド知名度の全くないVivoだが、OPPOがFCバルセロナとスポンサー契約を結び認知度アップを図ったように、UEFA EURO 2020と2024の公式スポンサーになることでブランド浸透力を図る。

中国メーカー UEFA EURO2020のスポンサーとなったVivo

 VivoはFIFA World Cupsの2018と2022のスポンサー契約も行っている。欧州のサッカー人気を背景に、欧州の消費者がVivoの製品をどこまで受け入れてくれるのか。2021年はVivoの動きがより活発な1年になりそうだ。

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