Xperia 1 IIはPhotography Proを使った場合、最高でAF追従の秒20コマ連写ができるという。
実際、連写速度はどのくらい速いのか。iPhone 12 Pro Maxと比べてみた。条件をそろえるために、延々とプラレールを走らせての撮影だ。
まずiPhone。イマドキのiPhoneはシャッターボタンを左(横持ちの場合は下)へスライドすることで連写が始まる。
そして真ん中の車両(目立つように千代田線の車両でロマンスカーVSEを挟んでみた)が出てから通り過ぎるまで何コマ撮れるかチェックである。
続いて、Xperia 1 II。室内での撮影なのでシャッタースピードが落ちてどうしても列車が大きくぶれて写ってしまう。
そこでPhotography Proならではってことでシャッタースピードを1/500秒に上げて撮ってみた。これができるのがPhotography Pro。
結果はXperia 1 IIの圧勝。
もう1つ、あまりなじみがない速さチェックをしてみたい。
それはシャッタータイムラグ。デジタルカメラってイメージセンサーが捉えた信号を処理してから画面に表示するので、どうしてもそこでタイムラグが発生する。さらに、その画面を見ながら人間がシャッターを押すので、人間のタイムラグが発生し、さらにシャッターを押してから実際に撮影されるまでのタイムラグがある。
そこでiPadでストップウォッチを走らせ、5秒ごとに「スマートフォンの画面を見ながら、画面に5の倍数が見えた瞬間に撮影する」というルールで5回撮影。一番速いのと遅いのを除いた3つの平均を出してみた。
iPhone 12 Pro Maxは平均で「0.20秒」の遅延。
Xperia 1 IIは平均で「0.41秒」の遅延。
iPhoneめちゃ速い、というかタイムラグがほとんどない。
これ、その辺の情報は公開されていないので推測だけど、Xperia 1 IIの方が普通で、iPhoneは常に裏で撮影をしていてタイムラグ分を考慮して、ほんのちょっと過去の画像を記録しているんじゃないかと思っている。だからシャッターチャンスを逃しにくい。
コンピュテーショナルフォトグラフィといえば象徴的なのがHDR。Xperia 1 IIもオートHDRがあるのでどのくらい差があるか気になるよね、というわけで。
さて、Photography Proはどうか。
実はPhotography Proでも「AUTO」にするか、あるいはメニューからオートHDRが効くんだけど、PhotographyProならではの機能に制限がつく。AUTO時はフルオートなので露出補正もできなくなるし、それ以外のモードではRAW撮影や連写ができなくなる。
今回は全てJPEGで撮っているがRAWで撮ることもできる。RAWデータの形式はDNG(iPhone 12 Pro/12 Pro MaxのProRAWと同じ)だ。
で、HDRに頼るのならPhotography Proじゃなくてもいい気はするわけで、今回はソニーのカメラでおなじみのDRO(ダイナミックレンジオプティマイザー。階調を調整してくれる機能)で撮影した。
この3つのうちどれがいい? といわれると困ってしまう。
もう1つ面白い結果を。逆光の人物写真だ。比べやすいよう縮小して1枚にまとめてみた。
左上がXperia 1 IIの標準カメラアプリ。オートHDRが働いて夕空を頑張って残すのはいいけど、肝心の顔色が暗い。右上はXperia 1 IIのPhotography ProでHDRなし。空は白飛びしているけど写真としては不自然じゃなくていい感じだ。iPhone 12 Pro MaxはHDRが効いて流のはいいけど、肌がちょっと人工っぽい。
難しいものである。HDRしないで背景は真っ白にトバしちゃった方が自然な写りになっているともいえる。
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