約半額の値下げで完全分離プランに 石川社長が語る、J:COM MOBILE新プランの狙い(1/2 ページ)

» 2021年01月29日 00時00分 公開
[房野麻子ITmedia]

 ジュピターテレコム(J:COM)が、J:COM MOBILEの新料金プラン「J:COM MOBILE A プラン スタンダード」を2月18日から提供する。新たなプランは高速データ通信容量1GBで980円(税別、以下同)、5GBで1480円、10GBで1980円、20GBで2480円の4タイプ。引き続き、余ったデータは翌月に繰り越され、テザリングはオプション料金なしで利用できる。

石川雄三 J:COMの石川雄三社長(写真提供:ジュピターテレコム)

 J:COMは2020年9月17日から、ずっと980円で使い続けられる1GBプラン、iPhone SE 64GBをセットで契約すると実質0円で持てる仕組みなどを提供してきたが、今回は料金を値下げし、通信と端末を完全分離するなど、大幅に刷新した。

J:COM MOBILE 新プランの改訂内容

 現在は1年間の契約期間、それ以前に解約すると請求される1000円の契約解除料もなくなり、端末の購入割賦回数は最大48回から最大36回へ。残債が免除される「スマホmoreプログラム」は廃止され、端末と通信料金が完全分離される。契約事務手数料は3000円に減額し、4月1日からはMNP手数料も無料になる。

「特定関係法人」になっても適法の完全分離プラン

 J:COMの代表取締役社長 石川雄三氏は、J:COM地域子会社をKDDIの「特定関係法人」として追加することが諮問され、総務省がパブリックコメントを募集している件について触れ、「特定関係法人になっても今回の料金プランは適法になる」とした。ポイントは通信と端末の完全分離だ。以前から特定関係法人に指定される可能性を想定しており、完全分離プラン検討していたという。今回の新プランを早期にスタートできることになり、「早くから検討していてよかった」と語った。

 新プラン導入の背景については、総務省の「携帯電話ポータルサイト」に掲載しているデータを引用し、大手キャリアが無制限プランを訴求している中、実際のデータ通信利用量は「5GB未満が約67%、9割が20GB以下になる。MVNOは無制限で(大手と戦うこと)は厳しいが、実際のユーザーの利用状況を見ると、われわれも十分にいいサービスを提供できる。特に5GB未満にはたくさんのお客さまがいるので、そこを強化した」と説明した。

J:COM MOBILE 総務省のデータを引用し、約7割のユーザーがいる5GB未満を強化したと説明

 新料金プランでは、5GB、10GB、20GBプランについては約半額に値下げ。余ったデータの翌月繰り越しは継続され、テザリングも無料。「オプションにも注力した」ということで、「通話5分かけ放題」は、キャンペーン期間中に申し込むと、通常月額850円のところ月額500円で永年利用できる。また、10GBプランは400円、20GBプランは500円割引になる「スタート割」も適用される。

 今回の値下げは、「コスト削減、データ通信の接続料を3年で半額にするという総務省のアクション・プラン、音声卸料金の値下げ見込み」を盛り込みながら、「採算が取れるギリギリでプランを設定した」と石川氏は語った。

J:COM MOBILE 2月18日から提供される新プラン「J:COM MOBILE Aプラン スタンダード」。5GB、10GB、20GBプランについては従来プランから半額になった

 なお、iPhone SE 64GBの実質0円販売はなくなるが、10GBプランで契約した場合、新プランでも従来より安い料金で使い続けることができることを、グラフを示して説明した。

J:COM MOBILE iPhone SE 64GBモデルを購入し、新旧10GBプランを契約した場合の比較。12カ月までは従来プランと同額、13カ月以降は新プランの方が安く運用できる

 また、「U26学割」も用意する。学生、社会人を問わず26歳以下は、5GBプランで500円、10GBプランで700円、20GBプランで800円の割引を12カ月間受けられる。しかも、26歳以下のユーザーがいれば、同居家族も合わせて最大5回線まで割引が適用される。

J:COM MOBILE U26学割は5GB、10GB、20GBプランに適用。同居家族にも適用される

 一方、60歳以上のシニア向けには「シニア60割」を提供。U26学割とは異なり、こちらは全プラン対応だ。通話5分かけ放題が12カ月間無料で利用でき、スマホの設定や使い方をサポートする月額500円の「おかかせサポート」が最大3カ月間無料になる。さらにスタート割も適用されるので、「大変お得なプランになる」と石川氏は自信を見せた。

J:COM MOBILE 全プランに対応する「シニア60割」

 なお、U26学割とシニア60割ともに、2月18日から5月31日までに申し込んだ場合のキャンペーンとなる。

iPhone XS/XRシリーズの中古品を取り扱い

 新端末として、au認定の中古iPhoneと「Galaxy A21」を取り扱う。au認定の中古iPhoneは「au Certified iPhone(認定中古品)」と銘打ち、auの残債免除のプログラムでユーザーから返却されたiPhoneを整備して提供する。動作確認やクリーニングを行い、バッテリー充電容量は80%以上のハイグレードなモデルを扱うという。

J:COM MOBILE au認定の中古iPhoneを取り扱う
J:COM MOBILE 「Galaxy A21」も取り扱い開始

 iPhone XR 64GB ホワイトが3万8400円、iPhone XS 64GB ゴールドが4万8000円、iPhone XS Max 64GB ゴールドは5万5200円で、一括/24回払いで販売される。「高性能かつ日本仕様」(石川氏)なGalaxy A21は2万5200円で、一括/24回払い/36回払いで販売される。

 au Certified iPhoneは、Appleが提供する保障サービス「Apple Care+ for iPhone」には申し込めないが、J:COM独自の保証サービスを利用できる。「端末保証 for iPhone」は月額600円で最大48カ月間保証。故障や破損時には最短で翌日に交換品を届ける。また有償にはなるが、Apple認定の修理拠点で、Apple正規品のバッテリーに交換することも可能だという。

J:COM MOBILE au Certified iPhone向けに保証サービスも整えた
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