さらに、東京都、東京大学、NTT東日本の3者連携では、臨場感のある遠隔教育「ローカル5G+VRによる遠隔コーチングの実現」という実験を行っている。こちらはローカル5Gのみの実験だ。
臨場感ある遠隔会議、遠隔教育のためには、遠隔にいるユーザー同士が物理的に同じ空間に存在しているかのようにコミュニケーションできるようにしたい。そのためには人の3次元モデルを圧縮し、リアルタイムに伝送、再構築させる3Dキャプチャー技術が必要となる。中尾氏らは、これを遠隔コーチングで活用するために研究を続けている。
深度カメラを使って3次元の映像をキャプチャーし、奥行きの情報を取得。3次元の点群データを送ると、受け取った先では映像をズームしたり動かしたりすることができるようになるという。
5Gのその先、6Gに向けた活動も紹介された。Beyond 5Gの戦略を検討する場として総務省が開催している「Beyond 5G推進戦略懇談会」は東京大学の総長である五神真氏が座長を務めており、6月に提言書を発行した。今後10年の情報通信の在り方を検討し始めている。
Beyond 5Gに求められる機能は「5Gの大容量通信、低遅延通信、超多数同時接続を高める方向」だと中尾氏。それに「超低消費電力」「超安全・信頼性」「自律性」「拡張性」といった方向性も新たに加わるとしている。
「コロナ禍でも認識されたが、Beyond 5G、6Gでも情報通信の果たす役割の重要性は疑う余地がない。最新の高度情報通信技術を、安価に、高度な度専門知識なく、自らの手で創ることで、情報通信の利活用のイノベーションを創出することを目指したい」と、中尾氏は情報通信の研究に対する熱意を語った。
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