料金プランの改定に加え、音声通話にも新たな工夫が盛り込まれている。OCN モバイル ONEでは、プレフィックスを利用した中継電話サービスの「OCNでんわ」を提供しているが、4月7日以降は、専用アプリを利用する必要がなくなる。OCNでんわアプリの代わりになるのが、スマートフォンの通話アプリ。標準的な操作方法で発信するだけで、自動的にOCNでんわでの発信になり、割安な料金が適用されるというわけだ。
NTTコミュニケーションズによると、この機能は「ドコモが提供している00XY自動付与機能によって実現したもの」だという。これは、端末側で付与していたプレフィックスの番号を、MNOの交換機側で付与するようにした仕組みのこと。MVNOごとのプレフィックスをドコモ側が設定して、発信があった際に、自動で中継電話サービスに接続する。端末内蔵の電話アプリを使えるようになるため、ユーザーの手間が減るだけでなく、着信に対して折り返すときに中継電話を使わず発信するミスを防げるのがメリットだ。
どの中継電話サービスを使うかにもよるが、音声通話の単価が安く、課金単位の時間が短ければ、単に通話料を下げるだけでなく、通話定額も提供しやすくなる。NTTコミュニケーションズは、他のMVNOにも中継電話サービスを提供している1社で、もともと音声通話定額のオプションが充実していた。4月7日からは、3種類ある「かけ放題オプション」まで、通常の電話アプリで利用できるようになる。中でも、1300円で提供される完全通話定額は他のMVNOにはあまりないオプションとして、OCN モバイル ONEの売りになりそうだ。
今後、OCN モバイル ONEがドコモの「エコノミー」プランと位置付けられるとすると、アプリ不要で利用できる音声通話定額は欠かせない存在になる。低容量のエコノミーは、KDDIのUQ mobileやソフトバンクのY!mobileと直接的に競合するカテゴリーだ。この2社には、10分間の準通話定額や完全通話定額のオプションが存在する。OCN モバイル ONEだけは、アプリの利用が必須となると、使い勝手の上で2社の低価格ブランドに見劣りしかねない。いち早くプレフィックス自動付与機能に対応することで、料金だけでなく、使い勝手の面でもサブブランドにキャッチアップした格好だ。
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